7月に開催したHack Dayでは、最優秀賞、投票で選ばれるHappy Hacking(社内限定・公開)賞、技術賞、UX賞、課題解決賞、メディアアート賞の7つの賞が各チームに送られました。
今回は、投票賞(公開部門)を受賞した大阪拠点「大阪7(セブン)」のメンバーに話を聞きました。Hack U 立命館大学の最優秀賞チームの学生さんとの混合チームだったそうですよ。
(左から、立命館大の久田くん、新井くん、ヤフーの石川、瀬川、中嶋、立命館大の丸山くん)
- 今回のチームは7人と多い方だと思うのですが、今回のテーマはどうやって決めたのですか?
中嶋:
他の大阪メンバーにも入ってもらって、アイデア出ししたのですが、なかなか「これだ!」というものが出てこず、本番2日前に決まりました。
VRがはやっているので使いたいということがまずありました。また、ヤフーのHack Dayということで、社内で今話題になっている課題を解決したいと思い、東京のオフィスが引っ越してフリーアドレスになるとスペースが狭くなるのでは、という課題を解決したいという思いがありました。
瀬川:
大阪オフィスも社員が増えてだんだん狭くなってきたので、自分ごとでもありましたね。
中嶋:
VRの中だけでも広くしたいなと(笑)

(中嶋)
- 作業分担はスムーズでしたか?
中嶋:
顔認識の技術を使うのが全員初めてだったので、調べながら作っていきました。
瀬川:
調べて開発してできるようになったモノを、「ここまで作ったら楽しんでもらえるかな」と検討しながら、使えそうなモノを1つずつ組み合わせていきました。


秋月:
開発にはOpenCVをはじめさまざまなSDKを検討し、学生のみなさんにはUnity(別名:Unity3D、複数のプラットフォームに対応するゲームエンジン)で実装してもらうなど、 できる範囲であらゆるアプローチを模索しつつ、最終的には24時間という時間的制約から、Swift+CoreImageで開発することにしました。
久田:
私たち学生は、1人は開発、2人は工作の部分を主に担当しました。
石川:
本当は、カードボード(※)を使おうとしていたのですが、それを使って見えるアプリを作るには時間が足りないと2日目の朝に気づいたんです。
※カードボード
段ボールで作られた、手持ちのスマホと組み合わせて利用する簡易的なヘッドマウントディスプレイ
中嶋:
そこで、両目で1つの画面を見るという仕様にしたのですが、それだと近すぎて、目に痛いということで、見える部分までの距離を伸ばすしかないよねと(笑)
石川:
人によって目の焦点が合う場所が違うので、伸び縮みするようにしようと最終的にできあがったのがこれです。
これが3台目くらいですね。

(石川)
中嶋:
つけて両手が自由にならないと作業ができないので、どうやって頭に固定するかもかなり検討しました。

- プレゼンが印象的だったのですが、特に力を入れた点はどこですか?
中嶋:
実は、プレゼンの準備は開発スタートと同時に始め、24時間かけて資料や90秒をどう使うか台本を作成しました(笑)



(公園で仕事をしている気持ちになれるかもしれません)
でも、まだその時点では何も見せられるモノはないんですけどね。モノづくりをみんなに託して、いいプレゼン資料を作ることだけに集中しました!
秋月:
私たちはプレゼン資料に必要なものを開発するんです(笑)

(秋月)
中嶋:
資料を作っていたら、プレゼンでどうしてもミニゲームを見せたくなったので、「こんな感じのを作ってほしい」とイメージがわかるようなGifアニメだけ作って秋月に作ってもらいました。
秋月:
通常の業務だったら絶対にありえない依頼の仕方ですよね(笑)
-Hack Dayの魅力を教えてください。
中嶋:
好きなメンバーと好きなやり方でモノづくりができることです。
瀬川:
私は普段の業務では会議や資料作成の業務が多く、モノづくりがなかなかできないので、思い切りモノづくりができることが楽しいですね。
久田:
私はまだ学生ですが、今回、プロのみなさんとモノづくりができて楽しかったですし、自分なりにできることを2日間探して、全力を尽くすことができました。
また、プレゼンで大事なことや、2日間という限られた時間の中で切るところは切り捨てるなど、メリハリのつけ方、時間の使い方などを学ぶことができました。
また、自分たちがつくったものをお客さんに喜んでもらえたので、やってよかったなと実感しました。

(Hack Uで優勝した立命館大学の久田くん)
瀬川:
彼はずっとお客さんに「よかったらつけてみてください!」と声をかけてくれたんですよ。
中嶋:
今回の投票賞は、お客さんの投票による賞なので、久田くんはとても貢献してくれました。

石川:
普段仕事でやっているものとは違う技術を使ってみたい、普段仕事ではなかなか出せない自分の興味を表現したいという思いがかなうイベントだなと思っています。
- 今回作った作品を実際に使って仕事をするとしたら、どんな風に使いますか?
中嶋:
違和感なく使えるようになったら、まず背景は景色のいい所にして、周りにいる社員の顔は消しますね(笑)
瀬川:
誰かが話したら、その人の顔だけ出てくればいいようにしたい(笑)
集中して開発する時はそういう風にできたらいいなと思います。

(瀬川)
- このチームの成功の秘訣(ひけつ)は?
中嶋:
普段一緒に仕事をしているメンバー同士ではないですが、お互いへの信頼がベースにあります。完璧な作品を作ってくれるとわかっているので、自分は完全なプレゼン資料を作ればいいと思って突き進めました。
秋月:
うん、絶大な信頼ですね。

石川:
今回は、全員が何をしないといけないか共通認識がありました。
工作も、デモで手に取られても恥ずかしくないようにと見た目にはかなりこだわっているんですよ。充電のケーブルも挿せるようになってます(笑)
中嶋:
これからも「大阪チームは何か面白いことをしそう」と期待してもらえるようなモノを作っていきたいです!