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2016.03.08

日本は2つの国からできている!? ~データで見る東京の特異性~

日本は2つの国からできている!? ~データで見る東京の特異性~

こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。

今回は、ヤフーのデータではなく、リアルのデータを使った分析の紹介から始めていきたいと思います。
皆さんは1週間に何回くらい電車に乗りますか?
電車通勤をしている方は少なくとも往復で10回は乗っていそうですね。
一方、クルマ中心の生活をしている方にとっては、電車は特別な用事がある時にだけ乗るものかもしれません。

以下のチャートは、一人の人が一年間に電車を利用する回数(※)を横軸、マイカー通勤・通学率 を縦軸にとり、47都道府県をマッピングしたものです。

(図1)電車の年間利用回数とマイカー通勤・通学率:都道府県マッピング

電車の年間利用回数とマイカー通勤・通学率:都道府県マッピングの画像

出所:
電車の年間利用回数は国土交通省旅客地域流動調査(2013年)と総務省統計局の都道府県人口(2013年)を元にヤフーが算出
マイカー通勤・通学率は国勢調査(2010年)
※注
JR、私鉄、地下鉄などを乗り継いだ場合、鉄道会社ごとに1回とカウント。行きと帰りは別々にカウント

電車とクルマの利用度という観点でみると、日本の都道府県は以下の3つに大別されることがわかります。

  1. 圧倒的な電車社会である東京
  2. 電車とクルマを併用する関東・関西の主要7府県
  3. クルマ社会である残りの大半の県

とりわけ東京だけが右端に孤立していて、極端な電車社会であることが見てとれます。
東京の人は年間で何と800回以上も電車に乗っていることがわかりました。
赤ちゃんからお年寄りまで含めての平均が800回を超えているのです。
これは神奈川や大阪と比べても2倍以上です。
神奈川をはじめとする関東・関西の主要府県の人は東京と同じようなライフスタイルを持っている印象もありますが、実際は東京ほど電車寄りではなく、電車とクルマをミックスした生活をしています。
また、残りの大半の県はクルマがメインです。
電車は年に数十回乗るかどうかであり、東京の10~100分の1にしか過ぎません。
このように、リアルな生活データで、東京が他の地域と全く違う一面を見つけました。
まるで日本には2つの別の国が存在しているかのようです。
では、インターネットの利用から見ても東京は特異な存在なのでしょうか?
2015年一年間の検索データから見てみました。

ヤフーの検索データでも異質な東京

下図は、人口一人あたりの年間検索数を指数化し、都道府県別に表したものです。

(図2)都道府県別 人口あたりの検索数

都道府県別 人口あたりの検索数の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)

こちらをみると、東京人は他県に比べて圧倒的に検索数が多いことがわかります。
東京の一人あたり検索数を100とすると、次点の大阪でさえ東京の3分の2にも満たず、ほとんどの地域では東京の半分以下という状況でした。
最も少なかったのは鹿児島で、東京よりも7割以上少ないことがわかりました。

クルマへの関心が低く、タクシーへの関心が高い東京。ITや勉強も…

次に、検索の中身についても東京の異質性が見られるのかチェックしてみました。
すると、先ほどリアルデータでみた「電車vs.クルマ社会」に関連した構図が浮かび上がってきました。

図3は、各都道府県の昨年1年間の総検索量に占める自動車メーカー(国内大手8社)に関連する検索数の割合を、最も多い都道府県を100とした指数にし、日本地図にあらわしたものです。
すると東京が圧倒的な電車社会であるためか、自動車メーカーへの関心が他県と比較して顕著に低いことがわかりました。

(図3)インターネット上の注目度【自動車メーカー】

自動車メーカーのインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

一方で、「タクシー」の注目度は、東京で極端に高い結果でした(以下、図4)。
電車社会である東京はクルマを所有することへの関心が低く、必要なときのみタクシーを活用している様子がうかがえます。
リアルのデータと同様、インターネット上の注目度でも、東京の特異性が見られました。

(図4)インターネット上の注目度【タクシー】

タクシーのインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

次に、交通手段以外の検索ではどうなのか調べてみたところ、「フィンテック」や「Uber」といった最近のIT用語は、以下の図5のとおり、東京での注目度が高いことがわかりました。
また、「中学受験」や「TOEIC」といった勉強系の注目度も、東京を始めとした都市部で高いようです。
電車やタクシーをよく使い、ITに関心が高く、子供も大人も勉強している、そんな東京の姿が浮かび上がってきますね。

(図5)インターネット上の注目度【IT系・勉強系トピックス】

IT系と勉強系トピックスのインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

東京以外でも地域差はある?

さて、東京の特異性について述べてきましたが、東京以外のエリアでも地域差はあるのでしょうか?
まずは昨年の国民的話題の中から、私たちの暮らしにも影響のある「マイナンバー」「ふるさと納税」について見てみました。
すると「マイナンバー」は全国的に関心が高く、地域差がないことがわかりました。
一方で「ふるさと納税」については、関西エリアでの関心が他の地域と比べて高く、地域差が浮き彫りになる結果となりました。

(図6)インターネット上の注目度【暮らしの話題】

暮らしの話題のインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

では、食べ物における地域差はどうでしょうか。
麺類で比べてみると「ラーメン」は東日本、「そうめん」は西日本といった具合に地域性がみられました。

(図7)インターネット上の注目度【麺料理】

麺料理のインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

東西の地域差は、食べ物だけではないようです。
昨年話題の大作映画に注目してみると、「フォースの覚醒」が公開された「スター・ウォーズ」は東日本、「ジュラシック・ワールド」は西日本の検索が多い傾向がありました。
世界的に人気の両映画への関心度合いに東西で差があることは、興味深い結果でした。

(図8)インターネット上の注目度【映画】

映画のインターネット上での注目度の画像

資料:
Yahoo!検索データ(2015年1月~12月、PCのみ)、最も多い県を100とした場合の指数

以上、まとめると

  • 東京は日本の中でも特殊な電車社会であることが、リアルのデータとインターネット上の注目度の両方から裏付けられた
  • 話題ごとの関心度合いには地域差があるものとないものがあり、IT系・勉強系は東京などの都市部で高い傾向が見られる
  • 東京以外のエリアも均質ではなく、食べ物やエンタメ系への関心にも地域差がある

いかがでしたでしょうか。
「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」では、今後もデータの持つ力や面白さをお伝えしていきます。引き続きよろしくお願いいたします。

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