今回は、「Yahoo!映画」の企画担当5年目の小林さんに、普段の仕事内容や、ユーザーから大きな反響があったという最近の作品ユーザーレビュー改善施策について聞きました。
>レビュー機能改善で投稿数が「前年比10倍」に
-普段のお仕事について教えてください。
「Yahoo!映画」の企画メンバーとして、映画レビューをはじめとするサイト運営、特集案件のディレクションなどをしています。最近は、Yahoo!映画もメディアパートナーとして参加している「東京国際映画祭」(10月22日~31日開催)の特集や、そろそろ米国アカデミー賞のシーズンになるのでその特集の準備も始めているところです。
-Yahoo!映画では、特に作品ユーザーレビューが映画業界でもよく話題になると聞きます。作品評価の★点数を参考にしているユーザーも多いそうですね。
はい、ユーザーに見た映画の感想や批評を投稿してもらう「作品ユーザーレビュー」はYahoo!映画の財産です。やはりそこを大切にしようと、年始に「日本一の映画クチコミサイトになる!」と方針をあらためて策定しました。もっとたくさんのユーザーの投稿を集めるために数々の改善施策をおこない、今年の8月には月次投稿数で前年比約10倍を達成することができました。
-10倍! それはすごいですね。どんな改善施策をおこなったのですか?
まず映画を見るユーザーの心理をあらためて掘り起こすべく、定性調査をおこないました。「レビューを書く人」「書かない人」のグループに分け、映画を見る前後の行動や気持ちについてインタビューをしました。その結果、映画鑑賞における三段階の「欲求」心理が導き出されたんです。

-「三段階の欲求心理」、興味深いですね……具体的に教えてください。
第一段階は、見た映画を忘れないように記録したいという記録欲求、第二段階では、見た映画のログをコレクションしたい、または、好きな監督や俳優の映画をコンプリートしたいという達成欲求、最終段階は、見た映画の感想や評論を他人に認めてもらいたい承認欲求、の三段階の心理でした。この3つ行動心理に沿って、施策を検討しました。
具体的には、まず記録することの敷居を下げました。これまでは「テキスト+★評価点数」のセットでの投稿でしたが、より幅広く多くのユーザーの声を集めるために、★の評価点数だけをつけられる簡易投稿機能を始めました。また、サイト閲覧履歴などからその人にあった作品のレビュー投稿を促すパーソナライズ表示を取り入れ、より投稿しやすい環境にしました。レビューをソーシャルメディア上でシェアしやすいような仕組みも整えました。
-その結果が、「10倍」という数字に大きく表れたんですね。
はい、簡易投稿も含めた投稿数全体は10倍でしたが、レビューテキストの投稿数も前年比で1.2倍になりました。またユーザーだけではなく業界内での反応も良く、レビュー評価の点数やテキストを映画宣伝でご利用いただくケースが以前よりも増えました。

「本当に信頼できる映画レビューサイト」を目指して
-ご自身もレビューをよく投稿されているとか。
レビューはよく書きます!「面白かった!」と思った場合は書いて、そこまで心に響かなかった作品の場合は★の評価点数だけをつけたりして……個人的にも状況に応じて利用しやすくなりました(笑)
-ほかの人のレビューは参考にしますか?
必ず見ますね。まず、作品を鑑賞する前は総合評価としての★の点数を参考にします。また、見終わった後に「あのシーンはどういう意味だったのかな?」と思うときがありますよね。そういう時に「答え合わせ」としてほかの人が書いたレビューを読むこともあります。
映画って、1作につき1800円を払い、約2時間を費やすので、できるだけ納得して見る作品を選んで欲しいんです。最近はソーシャルメディア上でさまざまな情報があふれていますが、本当に信頼できるレビューが集まるサイトを引き続き目指していきたいと思っています!
休日は山でリフレッシュ
-最近見た映画、また、これから公開される映画でオススメはありますか?
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」は面白かったですね! トム・クルーズがノースタントで挑んだのもあって、アドレナリンがたくさん出ました(笑) 今後の公開作だと、東京国際映画祭でも先行上映される、実話がベースの「エベレスト 3D」(11月6日公開)は絶対に見たいです。山が好きなので!

(今年のゴールデンウイークに新潟でキャンプしたときの写真。「テントを買ってから、よくキャンプをするようになりました」)
-山へはよく行くんですか?
はい、2、3時間で登れるところが中心ですが。 仲の良い友達や同僚と週末に1泊で行ったりします。空気がおいしくて、とてもリフレッシュできます。 頂上でお湯を沸かして作るカップラーメンとコーヒーなど、何気ないものが本当においしく感じられて感動したり……。大自然のなかに身をおくと、日ごろの悩みがちっぽけなことに思えてくるんですよね。

-小林さんはとても明るく快活な印象を受けますが、プライベートもアクティブですね!
最初はスノボにハマっていたのですが、そのうちただ滑るだけでは満足できなくなって……バックカントリーに挑戦したことがきっかけで山に興味を持つようになりました。初めは怖くて体力的にもとてもつらかったのですが、でもどうしてもあきらめたくはなくて、泣きながら先頭について行ったことも。目標をクリアしたときの「達成感」を得るのが好きなんだと思います(笑)
-仕事上でも高い目標にチャレンジしたくなるタイプですか?
負けず嫌いなところがあって、一度「やる!」と決めたことは必ず納得のいくかたちで達成したい、と常に思っている気がします。チームのメンバーと一緒に士気を上げられるよう心がけて、一丸となって取り組んでいます。
映画を見る約2時間をより価値のある時間にしてもらいたくて、そのために参考となるレビューがたくさん集まるサイトを目指しています。どんなユーザーの方でも使いやすいように機能改善を続けているので、まずは一人でも多くのみなさんに使ってみていただきたいと思っています!