
宮城県は、「宮城県地球温暖化対策実行計画「流れを,変える。」~みやぎ発!脱炭素イノベーション~」として、県における2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で31%の削減(約700万tの削減)を目指しています。
そして2050年には、二酸化炭素排出を実質ゼロにします。
その目標達成のために、みやぎの森林・海洋が担う炭素固定の役割を最大限発揮させる必要があります。
現状、東日本大震災の津波により海岸防災林の大部分が消滅し、また海の砂漠化と言われる「磯焼け」により沿岸域の藻場も半減。
そこで沿岸の森(海岸防災林・藻場)づくりを行うのが「みやぎ沿岸の森プロジェクト」です。
まず森林面では、震災後に植栽した約750haの海岸防災林が将来にわたり適切に維持されるよう、その一部を民間団体等と連携し、育林を通した「グリーンカーボン」の創出に向けた取組を推進。

そして海洋面では、宮城県ブルーカーボンプロジェクトによる藻場造成・海藻養殖の実践や技術開発により、藻場を回復させ持続可能な漁場環境づくりを進めます。
海岸防災林が持つ防災機能と沿岸域がつくる豊かな漁場環境を維持・向上させながら、グリーンカーボン・ブルーカーボンの両面から地球温暖化対策に取り組むことによって、環境と調和した持続可能な水産業・林業を目指します。
<林業分野の主な取組>
・海岸防災林の適正管理
・環境教育,震災伝承のための人づくり
<水産業分野の主な取組>
・海藻養殖,藻場造成
・CO2データ収集,分析
<目標数値>
・海岸防災林の適正管理により約1,180t-CO2/年を固定、10年間で11,800t-CO2を目指します。
・海藻養殖や藻場造成により平均250t-CO2/年を固定、10年間で2,500t-CO2を目指します。
海岸防災林:8.08t/ha/年、アラメ場:244t/年、海藻養殖6t/年で算出