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プレスリリース

2013.03.18

「Yahoo!ニュース」は政治に関する知識の学習に効果的
~ トピックス見出しの閲覧が有権者の知識差の縮小に貢献 ~


2013年3月18日

ヤフー株式会社


「Yahoo!ニュース」は政治に関する知識の学習に効果的
~ トピックス見出しの閲覧が有権者の知識差の縮小に貢献 ~



 ヤフー株式会社(以下 Yahoo! JAPAN、代表取締役社長 宮坂 学)と国立情報学研究所(以下 NII、所長 坂内 正夫)小林 哲郎准教授は共同で、「Yahoo!ニュース」の政治に関する知識学習効果について調査を行いました。
 今回の調査は、2012年12月16日に投票が行われた衆議院議員選挙の選挙期間における、「Yahoo!ニュース」ユーザーのニュースへの接触と、政治に関する認知・態度・行動との関係を明らかにすることを目的として実施しました。

<調査の概要>
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:「Yahoo!リサーチ」モニター登録ユーザーのうち、全国の満20歳以上の有権者
■事前調査
  • 調査期間:2012年12月7日~2012年12月8日
  • 回答数:1,648名
■事後調査
  • 調査期間:2012年12月16日 20:00以降(投票日の投票締切時刻以降)
  • 回答数:1,030名
※事前調査を回答したユーザーが事後調査も回答
■両者の役割
  • 調査データの解析:NII 情報社会相関研究系 准教授 小林 哲郎
  • 閲覧ログの解析:Yahoo! JAPAN

<調査結果の抜粋、考察>
  • Yahoo! JAPANのトップページに掲載される「Yahoo!ニュース」のトピックス見出しを閲覧するだけで、個別の見出しをクリックして記事自体を読まなくても、政治に関する知識の学習効果が認められました。これは、「Yahoo!ニュース」が政治に関する知識を社会に広く伝達するという重要な役割を担っていることを示しています。
  • 「Yahoo!ニュース」の閲覧は、政治的関心の高い層と低い層の、政治に関する知識差の縮小に効果があります。特に、政治に関心の低い層が政治的リーダーのパーソナリティについて学習する場として機能しました。
  • これらの結果は、ニュースをタイムリーに整理・選定し、バランス良く掲載することで新たな価値を生んできた「Yahoo!ニュース」とその特性、および編集姿勢がもたらした結果であるといえます。

<調査結果の詳細>
■「Yahoo!ニュース」への接触は、政治に関する知識の学習に効果
―Yahoo! JAPANのトップページに掲載される「Yahoo!ニュース」のトピックス見出しを閲覧するだけで、政治に関する知識の学習効果が認められました。

 事後調査において、選挙期間中にYahoo! JAPANトップページに掲載された「北朝鮮によるミサイル発射問題」「安倍自民党総裁の訪米予定」「イタリア首相の辞意表明」「小沢一郎氏が小選挙区で敗北した場合の進退」「敦賀原発の廃炉問題」「経団連会長による安倍自民党総裁への謝罪」「エジプトでの国民投票」の7つのトピックス見出しについて、各トピックスが掲載された時間帯にYahoo! JAPANトップページを閲覧した回数と、当該トピックス見出しのクリック有無を調べ、クイズの正解率との関係を調査しました。

 その結果、「小沢氏の進退」「経団連会長の謝罪」のトピックスについて、個別の見出しをクリックしなくても、Yahoo! JAPANトップページの閲覧回数が多いほど正解率が上昇することが確認できました。図1は、「小沢氏の進退」のトピックス見出しを例に、回帰分析(※)の結果をもとに予測値を算出して、この傾向を図示したものです。
 「北朝鮮ミサイル発射問題」や「敦賀原発の廃炉問題」は、Yahoo! JAPANトップページの閲覧回数に関わりなく高い正解率となりました。これらは、テレビや新聞等での報道量も多く、マスメディア利用の効果により「Yahoo!ニュース」による学習効果が検出されにくかった可能性があります。
 一方、「イタリア首相の辞意表明」「エジプトでの国民投票」などの海外ニュースは、低い正解率となりました。これらは、見出しの掲載位置が低く、比較的目に入りにくかったと考えられます。

 これらに対し、「小沢氏の進退」「経団連会長の謝罪」は、政治ニュースであるだけでなく、広く話題を集めやすい人間ドラマの要素も含んでおり、政治的関心の低い層にとっても、政治に関心を持つきっかけとなったといえます。

(※)二つの変数の関係を一次方程式で調べて、それぞれの相関関係を明らかにする分析方法です。
図1
図1 小沢一郎氏のニュースに関する学習効果


■「Yahoo!ニュース」への接触は、政治的関心の高い層と低い層の、政治に関する知識差の縮小に貢献
―政治的関心の低い層が政治的リーダーのパーソナリティについて学習する場として機能

 事前調査と事後調査の両方において、安倍晋三、石原慎太郎、野田佳彦、橋下徹、嘉田由紀子(五十音順)の5名の政治的リーダー(政党党首)のパーソナリティについて、「道徳的に品行方正である」「強いリーダーシップを発揮する」「自分のような一般有権者のことが理解できる」「豊富な知識を持っている」「知性のある」「誠実だ」「信頼できる」「カリスマ性のある」の8項目で評価を求めました。
 そして、事前調査と事後調査の両方において「どちらともいえない」「わからない」と回答した人数の値の差を調査しました。この値が大きいほど、選挙期間中に何らかの学習が生じ、知識や意見を持つに至った度合いが大きいことを意味します。

 この学習とYahoo! JAPANの利用の関係を調査した結果、Yahoo! JAPANトップページの閲覧頻度や閲覧時間が長いほど、学習効果が大きいことが確認されました。「Yahoo!ニュース」のトピックス見出しは、Yahoo! JAPANトップページの中でも目に入りやすい中央部分に位置するため、トップページを閲覧するだけで、トピックスの見出しをクリックしてそれぞれの記事を読まなくても自然に知識が得られ、学習効果に貢献したと考えられます。
 また、この学習効果は、政治的関心の低い層でより顕著に確認されました(図2)。もともと政治的関心の高い層では、Yahoo! JAPANトップページの閲覧頻度と学習の度合いがあまり相関しないのに対して、政治的関心の低い層では、Yahoo! JAPANトップページの閲覧頻度が高いほど、学習の度合いが高いことが確認できます。

 これらの結果から、「Yahoo!ニュース」の閲覧は、政治的リーダーのパーソナリティに関して、政治的関心の高い層と低い層の間の知識差の縮小に効果を持つといえます。

図2
図2 政治的リーダーの人柄に関する学習効果


<まとめ>
 政治に関する知識は、有権者が投票先を決める際に非常に重要な役割を果たすことが知られています。Yahoo! JAPANのトップページで最新のニュースを発信する「Yahoo!ニュース」のトピックス見出しにおいて、個別の見出しをクリックして記事を閲覧しなくても学習効果が生じる場合があることは、「Yahoo!ニュース」が政治に関する知識を社会に広く伝達する重要な役割を担っていることを示す結果であると考えられます。
 これらは、ニュースをタイムリーに整理・選定し、バランス良く掲載することで新たな価値を生んできた「Yahoo!ニュース」とそのトピックス見出しの特性、および編集姿勢がもたらした結果であるといえます。

 本研究は、インターネットニュースが政治情報を広く社会に届ける重要な役割を果たしていることを裏付けるものとして意味があります。
 NII 小林 哲郎准教授は今後も、インターネットを用いた選挙運動の解禁も視野に、メディアと政治の関係について実証研究を展開していきます。また、Yahoo! JAPANは、インターネットならではの情報発信によって大きな影響力を持つサービスとして、政治的知識を始めとした様々な事象について理解し、考える場として、「Yahoo!ニュース」を更に進化させていきます。

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