■6月の景気動向一致指数予測の結果
こんにちは、「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームです。
7月26日に公開した景気の「今」を把握することは可能か?(II)のレポートにおいて、6月の景気動向一致指数を「108.8」と予測しました。
そして、予測の結果(改定値)が8月19日に内閣府より発表されました。果たして結果はどのようになったのでしょうか。
6月の景気動向と一致指数とYahoo!JAPAN景気指数(1)
(指数:2010年=100)
資料:景気動向一致指数/内閣府指数=内閣府 経済社会総合研究所景気統計部、「Yahoo!検索」データ
内閣府より発表された6月の景気動向一致指数(改定値)は「105.5」、その差がなんと「3.3」と過去の予測値では見られないほど数値が開く結果となってしまいました。
■なぜ大きく外れたのか
この結果をうけて「Yahoo! JAPAN景気指数(Ver2.0)」を再検証した結果、この大きな誤差を生み出した要因が判明しました。その原因は、前回のレポート時に記載している
この6月の予測値は「Yahoo! JAPAN景気指数(Ver2.0)」からさらに改良を加え、分析に使用したキーワードの総検索量の波を用いて、各検索キーワードごとに検索量の補正を行うなど、精度向上に向けてマイナーチェンジをしています。
の部分にあったのです。「分析に使用したキーワードの総検索量の波」に想定外の推移が存在したため、精度向上のために実施したにもかかわらず、むしろ余計な影響を与えてしまっており、結果として景気動向一致指数との大きなかい離を生み出していました。さらに、新しいモデルでの過剰適合の検証が不十分でもありました。
■旧バージョンでの検証
そこで、前回実施した補正を除いた旧モデルにて再度6月の予測値を算出してみました。
6月の景気動向一致指数とYahoo!JAPAN景気指数(2)
(指数:2010年=100)
資料:景気動向一致指数/内閣府指数=内閣府 経済社会総合研究所景気統計部、「Yahoo!検索」データ
すると、内閣府の景気動向一致指数と同様に前月比から減少かつ誤差が「0.6」となり、なお高い精度を保てていたことが判明しました。「Yahoo! JAPANビッグデータレポート」チームではこれらの結果を踏まえ、精度の高い予測を目指して再検討を進めています。
これからも高い精度を保つために引き続き検証を行い報告をしていく予定ですので、今後ともよろしくお願いいたします。