ヤフー株式会社は、2023年10月1日にLINEヤフー株式会社になりました。LINEヤフー株式会社のコーポレートサイトはこちらです。
当ページに記載されている情報は、2023年9月30日時点の情報です。

企業情報

2013.01.29

Yahoo!検索から見えた今年のインフルの猛威

Yahoo!検索から見えた今年のインフルの猛威

こんにちは、Yahoo! JAPANビッグデータレポートです。

Yahoo! JAPANが持つ膨大なデータの分析調査を行う"Yahoo!ビッグデータ"のレポートのなかから、『インフルエンザ』に関する興味深い分析結果を報告します。

みなさん、周りでインフルエンザが通常以上にはやっていませんか? 厚生労働省からの発表も1月14日~1月20日までの間に報告された患者数が前の週より2倍、1週間で受診した患者数が140万人と報告されており、全国的にかなりの勢いで広がりつつあります。

そして、Yahoo! JAPANの数々のデータのなかからも、そのような兆候を見て取ることができます。
例えばYahoo!検索(リアルタイム)のデータを見てみると、インフルエンザに関連するTwitterやFacebookの投稿数(以下、SNS投稿数)がこの1か月右肩上がりで増加しているのがわかります。

インフルエンザに関連するYahoo!検索(リアルタイム)でのSNS投稿数集計推移

画像
※12月29日の投稿数を100とした場合の推移
資料:Yahoo!検索(リアルタイム)(2012年12月29日~2012年1月27日)

さらにはなんと、1月21日に"インフルエンザ"の検索数が、2009年に新型インフルエンザが世界的に流行した時の最大検索数を超えました(2009年4月の豚インフルエンザ時に記録した数字を除く)。さらに、その後も本日に至るまで非常に高い検索数が続く状態になっています。

そこで、Yahoo! JAPANが持つビッグデータの一つである検索のデータと、厚生労働省などから報告されているデータを比較してその関連性を比較するとともに、ビッグデータからインフルエンザ感染状況の"今"を知ることが可能かどうか、その調査・分析をしてみました。

検索数データとインフルの感染拡大には強い関連性が

厚生労働省のサイトにはインフルエンザに関するデータが公開されています。
その中に「インフルエンザの発生状況について」という報道用資料があり、そこから都道府県別の「インフルエンザ定点当たり報告数推移」がわかります。
一方、Yahoo!検索でも、都道府県別の検索割合スコア(その都道府県での全検索に対して、あるキーワードの検索が占める割合をスコア化したもの)の推移を知ることができますので、その数字の推移と、厚生労働省の報告数を散布図にして検証してみました。

全都道府県の"インフルエンザ"検索割合スコアと厚労省の報告数推移の比較

画像
資料:Yahoo!検索、厚生労働省資料(ともに、2012/12/10~2013/1/20)

すると、上記の図のように検索数と患者発生には高い相関があることがわかりました。
これによって、都道府県単位での検索数の推移と、厚生労働省より報告されている各都道府県での報告数には強い相関があることと言えます。

さらに"インフルエンザ"の検索数全体と、厚労省からの日本全体の報告数を比較してみると

"インフルエンザ"の検索数推移と厚労省の報告数推移の比較

画像
資料:Yahoo!検索、厚生労働省資料

こちらも、推移に類似性がみられます。インフルエンザの検索自体は、平常時でも一定数が必ず存在するため検索数のほうは0にはなりませんが、特にグラフの立ち上がりのポイントが一致している点は注目すべきと思われます。

2008年以降最大の検索数を記録

次に"インフルエンザ"の検索数推移を、週単位ではなく日単位として、もう少し細かい動きで見ていきましょう。
以下が2008年以降の"インフルエンザ"と"インフルエンザ 症状"の検索数推移になります。

"インフルエンザ"と"インフルエンザ 症状"の検索数推移

画像
※豚インフルエンザによる数値は参考外
資料:Yahoo!検索

"インフルエンザ"の年度別最大検索数比較(日別)

画像
※2008年に"インフルエンザ"の検索数が最も多かった日の検索数を100とした場合の比較
※豚インフルエンザによる数値は参考外
資料:Yahoo!検索

ごらんの通り、今年1月24日に2009年に記録した日別での最大検索数を上回りました。
2008年以降のYahoo!検索において、現在ほどインフルエンザが検索されたことはなかったのです。
この点からも、今年のインフルエンザが今まさに例年以上に拡大を続けているということがわかるかと思います。

インフルエンザはリアルタイムで拡大中

では、最新の検索数や都道府県別検索分布から"今"の状態を推測してみたいと思います。
先ほど紹介したグラフ「"インフルエンザ"の検索数推移と厚労省の報告数推移の比較」で急激に上昇をはじめた12月31日~1月6日を起点として、どれほどの伸びを示すのかを調べるため、直近1週間の検索数推移をたしてみると、以下の図のようになりました。

"インフルエンザ"の検索数推移と厚労省の報告数推移の比較

画像
※12月31日~1月6日の数字を1と置いた場合の推移
資料:Yahoo!検索、厚生労働省発表資料

おそらく12月31日~1月6日の数値と比較して、厚生労働省の1月21日~1月27日分のデータは8倍強まで増加するのではないかと推測することができました。
そして、インフルエンザは決して小康状態や終息ではなく、まさに今も拡大中であるとも言うことができるかと思います。

さらに都道府県別の状況を見てみましょう。

縦軸を「先々週と先週との検索割合スコアの伸び率」、横軸を「検索割合スコア」と置きました。
この図より、縦軸が上に行けばいくほど、急激にインフルエンザが広まっている可能性が高く、横軸が右に行けばいくほど、感染者数が多い可能性が高い、ということを推測できます。

各都道府県別のインフルエンザ状況マップ

画像
資料:Yahoo!検索

上記図より右上であればある程、インフルエンザの感染者数と拡大ペースが大きく、左下であればある程、その逆であるということがわかります。

さらにこのマップをもう少し大きな流れでとらえて、平常時から終息までの大きな流れの中のどの状態にいるかを見てみましょう。

各都道府県別のインフルエンザ状況マップ その2

画像
資料:Yahoo!検索

最初のマップだけみると、群馬県などはピークを越えた感もありますが、大きな流れでみると増加率(縦軸)が100%を切らないと終息へは向かいませんので、群馬県含めて現在すべての都道府県が100%のラインより上の位置にいる今の状況では、まだピークを過ぎたとは言えず、まさに"現在拡大中"の状態であると言えるかと思います。

最後に2012年12月10日から最近までの1週間ごとの"インフルエンザ"検索の都道府県別検索分布の移り変わりをご紹介します。当初は群馬県を中心に検索されていたものが、日を追うごとに日本全国に広がっていく様子がわかるかと思います。

12月10日~12月16日

画像
この時期は、おもに群馬県での検索比率が非常に高い

12月17日~12月23日

画像

12月24日~12月30日

画像

12月31日~1月6日

画像
群馬県以外の関東からもインフルエンザの検索数が増加。また、九州では佐賀を中心として検索数が増加傾向に

1月7日~1月13日

画像

1月14日~1月20日

画像

1月21日~1月27日

画像
ほぼ全国でインフルエンザの検索比率が高い状態に

最新のインフルエンザの状況を把握するには

最後に、最新のインフルエンザの状況を簡単に把握するのに便利なサービスとしてYahoo!検索(リアルタイム)をご紹介します。
最初に紹介したグラフのように、Yahoo!検索(リアルタイム)には「キーワードの注目度」という機能があり、そこで期間を30日に指定することで、そのキーワードのSNS投稿数が1か月間でどのような動きをしているかなどを把握することができます。

もちろんインフルエンザ以外でも、世の中の最新の動きを推測するのに役立ちますので、ぜひご活用ください。
このほかにも、インフルエンザの最新情報や対策方法は、Yahoo!ヘルスケアによるインフルエンザ対策関連情報のページでも見ることができます。予防法や最新ニュースはぜひこちらからご確認ください。

Yahoo!ビッグデータでは検索データなどを活用した新しい情報活用、取り組みなどを行い、今後もこのような世の中に役立つ報告を続けていければと思っております。
また、Yahoo! JAPANが提供する防災速報でも今後インフルエンザに関する情報をプッシュ通知でお知らせしていく予定です。

今後ともYahoo! JAPANをぜひともよろしくお願いいたします。

このページの先頭へ