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2022.01.17

ソフトバンク、LINE、ヤフーのエンジニアが大規模サービス開発の仕事、チーム体制・最新技術トピックを語る!

ヤフー、LINE、ソフトバンクのエンジニアたちのZoomキャプチャ画像
グループ会社であるソフトバンク、LINE、ヤフーの3社が合同で開催したテックイベント。今回はそこで語られた、大規模サービス開発の魅力、エンジニアの業務内容や活躍、チーム体制、技術トピック、求めるエンジニア像などについてご紹介します。

ソフトバンクグループの投資先などと連携した新領域での成長戦略とは

まず登壇したのは、ソフトバンクの宮山慎介氏。新規コア事業におけるプラットフォーム企画・設計の責任者です。社会課題の解決や顧客のニーズに対応するためのソリューションプラットフォームを提供するIT-OTイノベーション本部に所属しています。

ソフトバンク株式会社 宮山慎介氏のプロフィール写真
ソフトバンク株式会社 宮山慎介氏
2002年 J-フォン株式会社(現ソフトバンク株式会社)に新卒で入社。2016年に現在のテクノロジーユニット IT-OTイノベーション本部に異動。新規コア事業のプラットフォーム企画・設計の責任者として、IoT/AI/データを活用した技術ロードマップの策定や統合デジタルプラットフォーム基盤の技術戦略・企画・アーキテクトを担当している。
宮山氏が所属するIT-OTイノベーション本部は、ITにOT(Operational Technology)を組み合わせ、企画開発から設計導入までワンストップで行うために立ち上げた組織。製造、物流、ヘルスケアなどの領域で、オペレーションを効率化するソリューションやサービスの提供を行っています。

「ソフトバンクでは基盤である携帯電話やブロードバンド、5Gネットワークなどの通信領域に加え、ソフトバンクグループの投資先企業などと連携した新領域に事業を拡大。ビッグデータ、IoT、AIを活用しながら、さらなる成長を目指しています」(宮山氏)

ソフトバンクの新領域への成長戦略の図。ビッグデータ、IoT、AIを活用しながら、さらなる成長を目指す
宮山氏はプラットフォーム開発の全体設計や技術的なロードマップを策定するアーキテクチャの開発に加えて、事業戦略を検討する部隊も兼務。スマートシティ、リテール、物流、製造、ヘルスケアなどの領域において、事業に合わせた技術戦略を策定する役割も担っています。

IoTデバイスを管理するためのIoTプラットフォームでは、ソフトバンクの得意領域である通信技術を生かし、セルラーモジュールを使った機能を開発しています。

例えば、デバイスの設定を遠隔で管理する機能や、大量のIoTデバイスを一括管理したり、状態を把握したりする機能、省電力で通信できる機能など。ネットワーク構築における「セキュリティ対策」「消費電力の削減」「大量デバイス管理」という3つの特徴を持つ「NIDD(Non-IP Data Delivery)」は、ソフトバンクが当時世界で初めて商用環境での接続試験に成功した技術です。

ソフトバンクのIoTプラットフォームの図。デバイス設定を遠隔変更、大量のIoTデバイスを一括管理、省電力通信、ユーザの利用アプリケーションへ情報を転送、NIDDに対応したイメージ
IoTプラットフォームのリアルタイム通信、双方向通信ツールやデータ管理の機能は、CoAP、MQTT、LwM2Mなどの軽量プロトコルを使って開発しています。

IoTプラットフォームの機能概要の図。お客様サーバとお客様デバイスをソフトバンクIoTプラットフォームが繋いでいる
セッションでは、モバイルアプリ開発プラットフォーム「Kony Mobility Platform」の開発事例も紹介されました。これを利用することで、複数のOSで動作するアプリをワンソース・ローコードで開発できるため、通常のプロセスよりも開発期間を短縮・効率化できます。

航空会社の客室乗務員向けモバイルオーダーアプリを開発した際は、通常8カ月かかる要件定義を2カ月で行うことができました。

ソフトバンクの複合イベント処理基盤の図。ストリームデータをほぼリアルタイムで複合イベント処理しアプリへ送る
また、ソフトバンクの竹芝オフィスでは、東京都が実施する「スマート東京」のモデルケースの一つとして、人流データや人物属性データ、交通状況データなどのビッグデータを収集して情報を可視化するデータの複合イベント処理基盤を開発。竹芝エリアの3D都市モデル化を推進しています。

「ソフトバンクは豊富な開発実績と先端技術を活用し、データの流通基盤を新たなインフラとして仕上げ、社会最適化を実現していきたいと思います」(宮山氏)

竹芝エリアマネジメントの3D化の図。SoftBank本社ビルはルート案内ツールで操作、竹芝街区はビル管理ツールで閲覧できるイメージ
宮山氏は「ソフトバンクでは何か一つのことだけをやっていくというよりは、いろいろなことにチャレンジすることが好きなエンジニアが活躍している」と語り、ソフトバンクで働く魅力を、「先端技術を吸収できる」「さまざまなお客様やパートナー、自治体と共創できる」「多様な働き方ができる」と紹介。エンジニアにとってやりがいのある環境が整っていると強調しました。

また、こうした新規事業に参加してほしい人材について、以下のように語り、セッションを締めくくりました。

「ソフトバンクでは、新規事業に携わるプログラムマネージャー、プロダクトマネージャー、ITアーキテクト、ソリューションエンジニア、フルスタックエンジニアなど、多様なエンジニア人材を募集しています。ぜひ、一緒に経営的な視点で事業を考え、最先端技術を活用した最適なサービスシステムを作っていきましょう」(宮山氏)

ソフトバンクで活躍しているアーキテクト人材の図。経営的視点・スキルは「経営戦略」「ビジネス戦略」、ITの知識・スキルは「ネットワーク」「システム管理/運営」「サーバ」「セキュリティ」と具体的説明

ヤフーの技術責任者が語る大規模サービス開発の魅力

続いては、ヤフーの検索統括本部でVPoEとテクニカルディレクターを務める手操俊文、Yahoo!ショッピングのVPoEとテクニカルディレクターを務める杉本務が登壇。ファシリテーターは採用部チームリーダーの福島丈史が担当しました。

ヤフー株式会社 手操俊文のプロフィール写真
ヤフー株式会社 手操俊文
2008年にヤフー入社。トピックスなどの開発に携わった後、Yahoo!ロコの責任者、Yahoo!地図などの開発部長を経て、2018年よりウェブ検索、Yahoo!地図などのテクニカルディレクター、VPoE、開発本部長を担当。
ヤフー株式会社 杉本務のプロフィール写真
ヤフー株式会社 杉本務
2006年入社。ヤフオク!、Yahoo!ショッピングの開発に携わり、EC開発一筋。 現在はYahoo!ショッピングのバックエンド設計、UX設計の責任者として従事。
最初に福島から、ヤフーの全体概要について紹介を行いました。約8000万人という顧客基盤を持ち、昨年1年間だけでも90以上のサービスや機能改善をリリースしているヤフー。例えば5月にリリースした「Yahoo!副業(ベータ版)」は、コロナ禍でありながら、サービス開始11日で登録者5万人を突破し、大きな反響を得ました。

「本日は、ヤフーが持つスピーディーな開発基盤や、常に新しいものを生み出していくベンチャーマインド、そしてなぜヤフーが新しいサービスを作り続けるのか、などについてご紹介いたします。」(福島)

続いて、ヤフーの検索統括本部で技術責任者である手操が登壇。同統括本部はYahoo!検索をはじめ、検索広告Yahoo!ブラウザーYahoo!路線情報などのサービスを管掌する組織です。

なかでも「Yahoo! JAPAN 」は二つの第三者機関のブランド調査で利用者数、リーチ力、信頼力の項目で1位を獲得しており、検索ワードは90億以上。そこから生まれる検索行動も相当数あり、その検索クエリを用いながら、日々サービス改善を行っています。

ビッグデータの図。検索ワードは90億種類以上。日本トップクラスのマルチビッグデータ
ユーザー満足度No.1の検索を目指すために重要なのは、独自回答をウェブ検索のなかに差し込みながら、ユーザーが探している情報をいち早く提示すること。ヤフーでは、下記3つの指標を満たすように独自回答を用意し、ユーザビリティーの最大化を図っています」(手操)

・情報が正しい
・選びやすい
・意図にマッチする

具体的には、「前処理」では表記ゆれやスペルミス、同義語の処理を行い、「意図判定」ではクエリに対するタグの付与。「モジュール作成」ではクエリに対して表示する候補を検索。「表示順位の算出」ではモジュールに対するCTRを予測し、独自回答を提出しています。これらの業務には、自然言語処理や機械学習、情報検索などのスキルが求められます。

しかし、ここには技術的な課題もあります。ローカル情報や特定の施設などの名称を検索する場合、単純な表記ゆれだけではなく、前処理だけでは吸収しきれないことで検索精度に大きく影響を及ぼすケースがあるのです。

例えば、「ザロイヤルパークホテル広島」を「ロイヤルホテル広島」と略して入力したり、「セラヴィリゾート」を「セラフィリゾート」と勘違いをして入力したりするユーザーもいます。これらの対策として、転置インデックスを用いながら、ディープラーニングを使ってクエリと施設のベクトルの距離から適切なランキングを構築する手法を用いています。

「検索統括部では、こうした検索サービスの精度を一緒に向上させてくれる方を求めています。ユーザー満足度ナンバーワンのYahoo!検索、年間売上で1,629億円もの収益をあげる検索広告、『クーポンマップ』や『ラーメンマップ』などテーマに特化した機能が豊富なYahoo! MAPなど、活躍の場が多くあります」(手操)

次に登壇したのは、ショッピング統括本部の杉本。技術責任者を務める「Yahoo!ショッピング」の商品数は約4億を超え、日用品から人気家電まで、日本最大級の品ぞろえを誇ります。また、CMでもおなじみの「PayPay祭」など、PayPayと連携した販売戦略も打ち出しています。

Yahoo!ショッピングの図。
「Yahoo!ショッピングでは出店料をすべて無料にすることで、出店者を増やし、商品数を増加させてきました。また、商品の価格競争や質が向上する改善の流れもできてきたので、次の段階は、売り場の魅力を上げていくことだと考えています」(杉本)

売り場の魅力を上げるという目的に向け、2019年から、厳選されたストアを集めた「PayPayモール」の提供を開始。

さらに2021年には「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」に、アスクルが運営する「LOHACO」が加わりました。決済はPayPay、配送はヤマト運輸、出店ストアの公式アカウントとして利用されるLINE、関係性が強いZOZO。システムは共通のプラットフォームを主軸に、フロントエンドとして3つの売り場が立つ構成となっています。

このように、拡大や改善を繰り返す売り場を運営するうえで、UI/UXは切り離せないもの。常時ABテストを繰り返しながら、データドリブンで改善

物販は商品が届いて、初めて完結するサービス。そのため、より早く、ユーザーが欲しいタイミングで商品を届けるために、ヤマト運輸と連携をして日々改善を重ねています。

プロダクト改善の柱の図。サービスのサイト改善とシステムのスケーラビリティ
また、「PayPay祭」などの大規模キャンペーン中は、膨大なアクセスが集中します。
この瞬間的な負荷に耐えうるべく、杉本たちはスケーラビリティを考慮したシステムを開発しています。この取り組みは、クラウドオペレーターアワード2021で実行委員会賞を受賞しました。詳細は、 こちらの記事で詳しくご紹介しています。

LINEのサービス開発に携わるエンジニア体制・技術スタック

最後の登壇者は、LINEでエンターテインメント系サービスの開発部門を統括している大澤和宏氏。主にLINE LIVEやLINE MUSICなど、エンターテインメント関連サービスの開発と、ライブコマース領域の技術責任者を務めています。LINEのサービスがどのように開発され、どんな技術を活用しているのかを語りました。

LINE株式会社 開発3センター サービス開発1室 室長 大澤和宏氏のプロフィール写真
LINE株式会社 開発3センター
サービス開発1室 室長 大澤和宏氏
入社後、さまざまなLINE関連サービスの開発を担当し、2015年の開発開始時からLINE LIVEのサーバーサイド開発を担当。現在はLINE MUSICなどのエンターテインメント系サービスやLIVE Commerce(仮称)の開発などを担当する部署を統括している。
LINEは365日24時間生活できるライフプラットフォーム作りを成長戦略とし、世界中の人と情報・サービスの距離を縮めることをミッションに掲げています。「CLOSING THE DISTANCE」を企業理念に、日本、台湾、タイ、インドネシアでサービスを展開。4カ国で1億7300万人のユーザーが利用しています(2021年9月時点)。

スマートポータル=スーパーアプリ構想の実現の図。「LINE」を入り口としてオンライン・オフライン問わず、必要とする人や情報・サービス・企業・ブランドとシームレスにつながり全てが完結の現実を目指す
日本のLINE社は全従業員数2,800人のうち、技術職が約800人。そのうち約3割をサーバーサイドエンジニアが占めます。外国籍社員の国籍数は31カ国、約3割を占めているグローバル企業です。

大澤氏はサーバーサイドエンジニアを例に、活躍している領域、サービス開発で使われている技術スタックについて紹介しました。

「LINEではサービス開発からデータプラットフォーム、機械学習、サービスのレコメンドエンジン開発など、幅広い領域でエンジニアが活躍しています。自社のプライベートクラウドを実装するエンジニアも多数います。エンジニアの開発組織は、フロントエンド・サーバーサイド・テクニカルPM・QA・TEで構成され、事業部やデザイン、マーケティング、PRなどの他組織と連携しながら開発を進めています」

サーバーサイドエンジニアが活躍する領域・組織の図。LINEの「サービス開発」「データ」「インフラ」「その他組織」を図解
クライアントサイドのiOSについては基本的にSwiftですが、一部Object-Cがまだ残っている。Androidは基本的にはKotlinを使っており、一部ライブコマース領域のアプリではFlutterで新しい開発スタイルを試しています。ウェブ領域ではTypeScriptやSass、React、Vue.jsなども多く使われているといいます。

「サーバーサイドは基本的にほぼJavaですが、最近はKotlinも使うようになりました。フレームワークはSpring Bootを使っています。チームごとに技術選定をする裁量が与えられているので、必ずこの技術を使わなければいけないといったルールはありません」(大澤氏)

主な技術スタックの図。Client、Server、Infraで使われている技術を説明
LINEサービスの標準構成は以下のように、APIやSDKなどの社内共通基盤も活用しながら開発。ストレージは基本的にRedisやMySQL、検索が必要な場合はElasticsearchを使っています。

LINEのサービスの標準構成の図。
基本的な業務の進め方は、企画→詳細設計→実装→QA・リリースといったフロー。

業務の進め方の図。企画→詳細設計→実装→QA・リリースのフローを説明
そして、エンジニアの主な役割として大澤氏は以下を挙げました。

・デザインをもとにしたアプリのUI構築
・APIクライアントの実装
・アプリ、ブラウザー向けAPI開発
・バックエンド処理の設計、開発
・サーバー環境構築
・社内部署との調整
・各種メトリクスの監視や障害対応
・要件定義、企画、運用サポートなど

社内で使われるコミュニケーションツールは、基本的にSlack。エンジニアだけでなく、エンジニア以外の企画職や経営層もすべて、Slackで毎日活発にコミュニケーションをとっています。目的に合わせて、ZoomやLINE WORKSなども使います。

「タスクのマネジメントはJIRA(BTS)やGitHub Enterpriseなど、チームごとに好きなツール使ってタスク管理しています。ドキュメントはConfluenceというWikiを使っています。他国のエンジニアと会議をする際は通訳がつくので、コミュニケーションは基本的に母国語です。Slackでも翻訳Botが自動翻訳してくれるので、外国語ができなくても問題ありません」(大澤)

最近移転したばかりの四谷オフィスも紹介されました。現在は基本的にリモートワークが推奨されており、朝11時までにオフィスに出社可能な範囲であれば、どこに住んでも構わないなど、新しいワークスタイル作りに取り組んでいます。

LINE四谷オフィスの社内風景写真1。執務エリア、会議室、社員の業務風景
LINE四谷オフィスの社内風景写真2。マッサージルーム、ヘルスケア、保育園、売店風景
福利厚生についても、技術書やO’Reilly Online Learningの読み放題、国内・海外カンファレンスの参加支援、語学学習支援など、エンジニアにとって魅力的な制度が充実しています。

また、今回のイベントに際し、大澤氏が社内のエンジニアにLINEで働く魅力や、サービス開発で感じるやりがいなどを聞いてみたところ、下記のような声が寄せられたそうです。

サービス別の面白トピックの図。「LINE LIVE」「LINE MUSIC」「LINEギフト」「ヘルスケア事業」の意見
一方で、システムの老朽化などの課題や、DX推進事業で既存の環境に縛られない新たなアイデアを求めるプロジェクトを数多く抱えています。

LINEではこうした技術組織の具体的な課題・プロジェクトを公開し、ともに推進してゆける技術者を募集しています。大澤は、現在46個の課題を公開しているサイトを紹介し、「興味を持った方はぜひ参加してほしい」と呼びかけ、セッションを締めくくりました。

LINE技術組織が抱える未解決課題のサイトトップの画像。

●LINE技術組織が抱える未解決課題
https://linecorp.com/ja/career/tech-issue-21/

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