企業としての義務と責任自然資本への対策

情報技術は世の中を豊かで便利にしていく一方で、電力を中心としたエネルギー消費に伴うCO2排出という形で環境負荷を与えており、産業全体の拡大とともにその負荷も増大しています。私たちは持続可能な社会の実現に向けて、気候変動問題への取り組みを推進するとともに、事業活動にともなう環境負荷の低減、廃棄物対策、生物多様性の保全に取り組んでまいります。
また、気候変動によって激甚化・頻発化していく自然災害の脅威に対応していくため、さまざまな解決手段を準備・強化し、社会の助けとなることを目指します。

推進体制・全体像

環境施策の推進体制

以下の体制で環境施策を推進しています。

CSR推進体制の図。各事業部門の推進担当者とSR推進統括本部、SR推進執行役員が連携し、CEOや取締役からのサポートを受け、CSR活動を推進しています。 CSR推進体制の図。各事業部門の推進担当者とSR推進統括本部、SR推進執行役員が連携し、CEOや取締役からのサポートを受け、CSR活動を推進しています。

環境負荷の全体像

ヤフーのマテリアルバランス図(2018年度)
ヤフーのマテリアルバランス(2018年度)

CO2排出量(t-CO2)、総エネルギー消費量(GJ)、エネルギー消費量あたりのCO2排出量(t-CO2/GJ)

主な当社施設(データセンター含む)および、同敷地内に拠点を持つ子会社16社、アスクル株式会社に関するスコープ1、2の合計。データセンターのエネルギー使用効率改善により、エネルギー消費量あたりのCO2排出量は減少しています。

年度 スコープ1、2のCO2排出量(t-CO2 スコープ3のCO2排出量(t-CO2 総エネルギー消費量(GJ) エネルギー消費量あたりのCO2排出量(t-CO2/GJ)
2012 88,494 1,775,066 0.050
2013 108,234 1,906,624 0.057
2014 121,763 2,089,167 0.058
2015 137,130
(121,987)
2,181,362 0.056
2016 107,103
(86,551)
1,607,567 0.054
2017 107,800
(83,865)
1,792,129 0.047
2018 (81,226) 1,069 1,815,357 0.045
合計 1,069 13,082,604
  • ※2015年度までは、貸し出したリース資産(株式会社IDCフロンティアのデータセンター)分を含み、借りたリース資産(株式会社ブロードバンドタワーのデータセンター)分は含まず算定。 2016年度からは、貸し出したリース資産分を含まず、借りたリース資産分は含む。
  • ※スコープ1、2のCO2排出量のカッコ内数値、総エネルギー消費量、エネルギー消費量あたりのCO2排出量は、アスクル株式会社を除いたスコープ1、2に対応。
  • ※2018年度のスコープ3は、カテゴリ6「出張」、カテゴリ7「雇用者の通勤」の合計値。
  • ※2018年度のアスクル株式会社を含むスコープ1、2のCO2排出量は算定され次第、追記。

データセンターの再生エネルギー消費量(GJ)、比率(%)、平均PUE

年度 再生エネルギー消費量(GJ) 再生エネルギー比率(%) データセンターの平均PUE
2015 45,645 3.6% 1.63
2016 98,383 6.5% 1.57
2017 117,361 7.0% 1.56
2018 134,149 7.9% 1.56
合計/平均 395,538 6.5% 1.58
  • ※再生エネルギー消費量および比率では、電源を特定した上で直接電力を購入しているもののみをカウント。電力会社から電源を特定せず調達している電力に含まれる再生可能エネルギー量は含まない。
  • ※平均PUEは、ヤフーが事業にあたり運用している全データセンターの平均値。

関連する社会課題解決キーワード

気候変動対策

気候変動への対応方針

健全な地球環境は、人々の生活と社会が成り立つための前提であり、それなくして情報技術社会の発展もありえません。ヤフーでは、気候変動に対して「緩和」と「適応」の両面から目標を定め、取り組んでいます。「緩和」面では、気候変動や地球温暖化の原因となっている温室効果ガス(GHG)の排出削減に向けて、さまざまな取り組みを行っています。「適応」面では、温暖化傾向が当面続くことを見越した対応を実施しています。中でも激甚化している災害への対応は、重点領域と定めて取り組んでおり、事業のBCP対応とともに進めています。今後は、データセンターのより一層のエコ・クリーンエネルギー化、エシカル消費の推進など、さらなる施策に取り組んでいく予定です。

気候変動の「緩和」に関する目標

中期目標 2017年度 2018年度
2028年度までに、売上あたりのCO2排出量を2008年度比で50%減らす 2017年度 29.3%減 2018年度 32.3%減

※2018年度の実績は、一部連結子会社の推計値を含むCO2排出量をもとに算出。確定値が算定され次第、修正。

気候変動の「緩和」に関する取り組み

データセンターでの取り組み

インターネット事業を運営するために必要なサーバーの大部分を自社の設備で運用しています。特に福岡県北九州市の「アジアン・フロンティア」、福島県白河市の「白河データセンター」では、外気を利用した空調システムなど、最新技術を活用した温暖化対策を実施しています。また継続的に設備の入れ替え、新規設備投資などを行うことにより、エネルギー使用効率の改善を図っています。

USデータセンターへの移行

ヤフーの米国現地法人「Actapio, Inc.(旧YJ America, Inc.)」は米国ワシントン州に約1600ラック規模の新たなデータセンターを建設し、2019年4月より稼働を開始しました。水力発電が盛んな米国ワシントン州にデータセンターを設置することで、供給される電力は100%再生可能エネルギーで賄われています。Actapioは、ヤフーとして初の海外のデータセンター(200ラック規模)を2014年12月からワシントン州で稼働を開始。今回、より規模が大きなデータセンターが建設されたことで、さらに再生エネルギー比率が高まることになります。

環境に関する法令への対応

東京都が大規模事業所にCO2排出量の削減義務を課す「総量削減義務と排出量取引制度(キャップ&トレード制度)」に関して、ヤフーは自社で保有していた都内2カ所のデータセンターについて、第1期(2010~2014年度)の削減目標より14,565t-CO2の超過削減を達成しました。また当時、本社のあった港区六本木の東京ミッドタウンは「地球温暖化対策の推進の程度が特に優れた事業所」として「トップレベル事業所」に認定されました。
第2期(2015~2019年度)についても、目標達成見込みで推移しています。

気候変動への「適応」に関する目標

中期目標 2016年度 2017年度 2018年度
2025年度までに、災害協定を締結している自治体人口カバー率90% 2016年度 54.5% 2017年度 58.3% 2018年度 66.3%

気候変動への「適応」に関する取り組み

「防災速報」アプリや「Yahoo!天気・災害」による情報発信

激甚化する災害に際して、被災者を一人でも減らすために、スマートフォン向けの「防災速報」アプリでは緊急地震速報や津波情報、豪雨予報、土砂災害、河川洪水、熱中症情報、火山情報、国民保護情報などあらゆる災害の情報をプッシュ通知でいち早くお届けしています。パソコンや携帯電話へメールで通知することも可能です。
「Yahoo!天気・災害」では、河川の「注意」「警戒」などの情報や、10分ごとの観測所の水位の変化を地図上に分かりやすく表示することで、自主避難を早期に判断できる「河川水位情報」を提供しています。また、ゲリラ豪雨などに役立つ機能として、リアルタイムに雨雲の動きを知らせる「雨雲レーダー」なども提供しています。

災害協定

災害時にタイムリーな災害情報を、住民の方に伝えることを目指し、各自治体との協定締結を進めています。締結自治体には、運営するウェブサイトのキャッシュサイトを用意。ヤフーのサーバー上に表示させることで、自治体のサーバーにアクセスが集中することを回避でき、災害情報の継続的発信に貢献しています。注意喚起や、災害時の避難所の開設情報など、自治体が伝えたい緊急情報を、「防災速報」アプリを通して直接配信する機能も提供しています。また、避難場所などを地図に掲載することで、通常時の防災意識の高まりにも寄与しています。

関連する社会課題解決キーワード

廃棄物対策

廃棄物対策の取り組み

ヤフーでは、オフィス内での紙やプラスチック、電力の使用を極力減らすことで、温室効果ガスの排出量を削減しています。また、社内でのリデュース・リユース・リサイクルを推進することで、環境負荷の低減にもつなげています。

社内カフェでのプラスチック製カップ・ストローの使用削減

東京・紀尾井町オフィスの社内カフェにおいて、アイスドリンク提供時に使用していた使い捨てのプラスチック製カップ・ストローの使用を見直しました。カップは竹の繊維をパウダー状にして樹脂で固めたバンブーカップで、製造段階から廃棄に至るまでの過程で排出される二酸化炭素の量が少なく環境に配慮した素材のものに、ストローは、サトウキビやとうもろこしを原料としたポリ乳酸の生分解性素材のものに切り替えました。
これに伴い、バンブーカップでの提供価格を標準(従来より15円安)とし、プラスチック製のカップとストローを選択した場合は、15円を利用者が負担する価格の見直しも行っています。バンブーカップは洗浄して再利用し、持ち帰りにも対応します。

これらの見直しにより、ひと月あたり最大1万個のプラスチックカップ削減につながる見通しです。今後もプラスチックゴミの削減を進めてまいります。

ペーパーレス化の促進

従業員へノートパソコンやタブレット端末を配布し、会議での資料のパソコン閲覧やプロジェクター活用、業務のオンライン化などにより、印刷する書類を大幅に削減しペーパーレス化を推進しています。

リデュース・リユース・リサイクルを推進

東京・紀尾井町オフィスでは、全館LED照明を導入し消費電力の削減、ゴミの15分別によるリユース・リサイクルの推進、使用済み書類については、専用のリサイクルボックス「保護(まもる)くん」を活用して、機密保持とリサイクルを両立し、森林資源の保護に取り組んでいます。また社内レストランでの食べ残しを減らすため、同じ食材で毎日メニューを変更するなどフードロス対策も実施しています。
ヤフーが運営するデータセンターでも、UPS(無停電電源装置)のバッテリーリサイクルを推進しています。

実施項目 2017年度 2018年度
紙リサイクル 2017年度 429本相当の森林伐採抑制 2018年度 501本相当の森林伐採抑制
カーボンオフセット 2017年度 47.18t(トン)のCO2削減 2018年度 51.02t(トン)のCO2削減

関連する社会課題解決キーワード

生物多様性保全

生物多様性保全の取り組み

ヤフーでは、自然環境、地域、未来社会との調和を図る企業として、持続可能な形で未来世代に引き継げる取り組みを行ってまいります。

生物多様性保全投資額 2016年度 520万円 2017年度 470万円 2018年度 800万円
520万円 470万円 800万円

ナミビアの密猟防止活動への支援

2017年3月9日、国連開発計画(UNDP)ナミビア事務所を通じて、同国最大級の規模を誇るエトーシャ国立公園における、ナミビアの密猟防止及び野生動物保全を目指す取り組みに賛同し、密猟防止パトロールキャンプ建設のために、寄付を行いました。

寄付金によって、水供給設備と太陽光発電システムを併設された新しい密猟防止パトロールキャンプが建設され、密猟パトロールの警備隊、コミュニティーメンバーによって活用されています。

国立公園や世界自然遺産のカーボン・オフセット支援

2017年8月より、環境省と経済産業省も支援する地球温暖化防止に向けた取り組み「国立公園・世界自然遺産カーボン・オフセットキャンペーン」に賛同し、国立公園および世界自然遺産の保全活動に参加しています。

このキャンペーンは、国立公園周辺で使用されるエネルギーや排出されるCO2を、省エネ・再エネ設備導入や森林管理によって削減・埋め合わせ(=カーボン・オフセット)をし、その活動を広く伝えることで、地球温暖化防止に向けた行動を喚起するための取り組みです。
ヤフーがキャンペーン事務局を通してJ-クレジット(*1)を購入。その半額が、国立公園や世界自然遺産の保全のための活動に役立てられ、残額もクレジット創出団体(*2)に還元され有効に活用されています。

*1:省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を、「クレジット」として国が認証するもの

*2:温室効果ガスの排出量削減や吸収量増加に取り組む団体や企業。「J-クレジット」創出団体は、排出削減量や吸収量に応じて算定された「クレジット」を売却し、設備のランニングコストの低減や新たな省エネ投資に活用できる

ビオトープ(生態環境)整備による生物多様性の保全と再生の取り組み

生物多様性の保全と地域貢献を目的に、東京・紀尾井町オフィスのある紀尾井町ガーデンテラスが進める「都心の貴重な緑地をつなぐエコロジカル・ネットワーク(生態回廊)の形成に貢献する街づくり」に協力し、ビオトープ(生態環境)整備による生物多様性の保全と再生の取り組みを行っています。

具体的には、オフィス周辺の皇居内濠で棲息が確認されているホタルを身近な自然復元の象徴として、紀尾井町のビオトープでも棲息できるような環境構築を2016年6月から推進しています。

象牙製品に関するYahoo! JAPANの現在の対応と考え方 

ヤフーでは、違法な取引はもちろん、たとえ現時点で適法であっても象の密猟や絶滅につながるような取引を許容しておりません。一方で、日本において法に触れていない売買の機会を合理的な理由なく奪うべきではないとも考えております。
また、出品者の確実な法の遵守を確保するために、法律について出品者へ周知・啓発を行うとともに、その遵守状況のパトロールを徹底して行っております。

ヤフーでは、これまでも、象をはじめとする希少な野生生物の保全の重要性を認識し、環境省や経済産業省等の関係省庁や捜査機関を含む日本国政府、NGOなどと協力してきており、今後もその協力関係を継続強化してまいります。

関連する社会課題解決キーワード

水資源保全

水資源保全の取り組み

ヤフーは、事業活動において大量の水や所定の水質を確保した水を必要とすることはありません。しかしながら、水資源の管理を環境保全上の重要課題と捉え、リスク分析、取水・排水量管理を行っています。ヤフーの水利用は、データセンターでの冷却・加湿用の水と、事業所での生活用水に大別されます。データセンターにおいては外気導入よる冷却効率化、事業所においてはビルシステムによる雨水利用などをぞれぞれ行うことで、水資源の保全に努めています。

持続可能な調達

持続可能な調達へ向けた取り組み

私たちは「公平・公正」「セキュリティ」「人権への配慮」などを旨とした、購買基本方針に基づいた購買行動を行っています。環境面については、購買基本方針の中に「環境の保全」という項目を設け、環境への負荷が少ない物品やサービスの調達を行うことによって配慮しています。あわせて、取引先評価基準にも「環境への配慮」という項目を設け、環境問題に対する積極的な配慮がなされていることを、評価しています。
また、会社の調達のほとんどを担う購買部門を通した調達活動においては、取引先に対してこれら「購買基本方針の遵守」を事項に盛り込んだ取引契約書を結んだ上、取引を行うように徹底しています。

持続可能な社会に貢献するサービス

持続可能な社会に貢献するサービスの取り組み

ヤフーでは、持続可能な社会の実現に向けて、ITやウェブサービスを活用した課題解決への取り組みを進めています。

Yahoo!ネット募金

「Yahoo!ネット募金」は2004年の新潟県中越地震をきっかけにスタートしたオンライン寄付プラットフォームです。国内外の大規模災害の被災地支援、難民支援、子どもの貧困問題、海や森、希少生物の保全活動などさまざまな社会課題に取り組んでいる団体に対して継続的な支援を促すプラットフォームの提供を行っています。

ヤフオク!

インターネット上で個人間のモノの売買を可能にした「ヤフオク!」は、1999年9月にサービスを開始した日本最大級のネットオークション・フリマアプリです。使わなくなったものを必要としている人に譲り再利用する「リユース」の推進を通じて、循環型社会形成の一助となるよう取り組んでいます。

Gyoppy!(ギョッピー)

漁獲量の減少や、プラスチックごみ、海洋酸性化など、多くの課題を抱える海。「Gyoppy!(ギョッピー)」は、読者に海への興味を持ち、これらの課題を知ってもらうことを目指して2018年10月に立ち上げたメディアサービスです。一部の記事には、「Yahoo!ネット募金」や環境に配慮した魚の購入などへの誘導を設置し、記事を読んだ後に課題解決に向けた支援が可能です。

エールマーケット

「エールマーケット」は、東日本大震災後の2011年12月に「復興デパートメント」としてスタート。現在は「買いものはエール(応援)」というコンセプトのもと、人・社会・地域・環境にやさしいエシカルかつこだわりのある商品を取り扱うお買い物メディアとして展開しています。

関連する社会課題解決キーワード