「届ける」から「備える」へ Yahoo!防災速報が目指す防災サービスの未来

災害サービスマネージャーの竹内

Yahoo!防災速報は、2004年にスタートした「災害情報告知モジュール」や、2005年にスタートした「Yahoo!災害情報」を前身とするサービスです。
「インターネットもメディアの1つ。メディアとして、災害発生時に生活者の方々に情報を届けるのが使命だ」と前社長の井上雅博氏の大号令の下、ヤフーの災害・防災系サービスはスタートしました。

今回は、今後注力していく、災害に「備える」分野での施策や、マネジメントをするうえで心がけていることを、サービスマネージャーの竹内に聞きました。

  • 1200万ユーザーが使うプッシュ通知中心のアプリ「Yahoo!防災速報」
  • 災害に「備える」ことができるサービスに
  • 大切にしているのは「メンバーと課題についての共通認識を持つ」こと

1200万ユーザーが使うプッシュ通知中心のアプリ「Yahoo!防災速報」

-サービスの概要について教えてください

前身である「Yahoo!災害情報」は2005年にスタート。自然災害に限らず、テロなどの人為的な災害も含め網羅的に伝えるサービスでした。
その後、2011年3月に発生した東日本大震災を経て、2011年7月にメール版の「Yahoo!防災速報」がスタートしました。
アプリ版は2011年12月にiOS版、2012年3月にAndroid版をリリース。現在、メール版とあわせて1200万以上の方にご利用いただいています。

2014年7月に、Yahoo!天気・災害の企画・開発チームが大阪に移転しました。BCP(Business Continuity Planning=事業継続計画)的な観点から、東京で災害が発生した際も問題なく情報が届けられる体制を作ることが大きな理由です。

「Yahoo!防災速報」はプッシュ通知がメインです。地震、津波、大雨、洪水、土砂災害、避難情報など、あらゆる災害情報をお届けしています。
最近ではやはり国民保護情報(※)への意識の高まりが感じられますね。そうした、自然災害以外の情報もお届けしています。
(※)国民保護情報とは、わが国に対する外部からの武力攻撃、あるいは大規模テロなどが迫っているとき、または発生したときに、関係する地域の方に注意を呼びかけるための情報。

現在地に関する情報と、ユーザーが設定した最大3地域に関する情報を通知できるので、自宅・勤務先・実家、というように設定していただくなどして、日常の安心・安全を提供したいと思っています。

-天気サービスとのすみ分けについて教えてください

毎日の気象情報を提供するのは「Yahoo!天気」。災害発生時の速報や避難情報、防災コンテンツなど、何かが起きたときにいち早く災害関連情報を提供するのが、Yahoo!防災速報アプリをはじめとした災害サービスの担当領域です。

とはいえ、ユーザーには今も1つの「Yahoo!天気・災害」となっていますし、何らかの災害発生時などは連携して対応しているため、厳密にすみ分けを考える必要はないと考えています。

写真
(災害サービスマネージャーの竹内)

災害に「備える」ことができるサービスに

-今後取り入れたい機能や、目標を教えてください

「防災速報」と銘打っているだけあって、一刻も早く情報を届けるのが最も重要なミッション。今後も引き続きサービスを磨き込んでいきます。
一方で「NHKニュース・防災」アプリやAbemaTVの災害・防災関連チャンネルといった競合も出てきている中では、スピードのみの勝負では心もとないので、それ以外で何を差別化の要素として戦っていくのか、メンバーと検討を続けてきました。
「速報を届ける」のはメディア的な役割ですが、それに加えて「災害に備える」という行動を世の中に広めていきたいと考えています。とても難しく、時間のかかる取り組みになるとは思いますが、「備える」行動を一般化したいというのは今後の大きな目標です。

「備える」観点で最近取り掛かっているのが「避難場所マップ」です。災害関連通知が届き、詳細を防災速報アプリで確認していくと、その先で近隣の避難場所をチェックできるようになる予定です。災害が起きていない平時からも、近隣の避難場所をぜひチェックしてみてください。

「避難場所」と「避難所」の違いをご存じですか?
「避難所」の多くは小学校や公民館など平地にあります。東日本大震災のとき、本来なら緊急時に「避難場所」に逃げるべきところを、住人の方々が「避難所」に逃げてしまい、そこに津波が来るという悲劇的な出来事がありました。
これを受けて、国も自治体も、まず災害の危険から命を守るために緊急的に避難する先は「避難場所」であるという認識を広めようとしています。しかし、なかなか理解が進んでいなかったり、避難場所のデータ自体も未整備の地域がまだまだあったりするのが現状です。まずは「避難場所」と「避難所」は違うということを知っていただく取り組みから始めたいと考えています。

「避難場所マップ」の画面

大切にしているのは「メンバーと課題についての共通認識を持つ」こと

災害サービスのマネージャーになったのは2016年4月。天気と災害サービスが分かれたタイミングで着任しました。大阪で担当しているサービスの中で一番「自分ごと」にできそうだと思ったのが災害系のサービスでした。
とはいえ、防災や災害の専門知識は全くなかったので、当初は戸惑いがありました。今でも経験値の高いメンバーに助けてもらいながら業務にあたっていますが、ベテランのメンバーも多いですし、コミュニケーションも取りやすく、おかげさまで悩みを抱え込むといったことはありません。

災害サービスのメンバー15名中、エンジニアが10名、デザイナー2名、私を含め企画が3名という構成。サービスチーム自体があまり大所帯ではないこともあって、和やかな雰囲気です。
天気と災害でサービスが分かれたとはいえ垣根はなく、何か起きたときは気づいた人から連絡を取り合って天気サービスチームと一緒に対応しています。

- マネジメントするうえで大事にしていることは何ですか?

中途採用のメンバーが多く、単独で動けるメンバーばかりなので、任せられる部分は任せるようにしています。サービスマネージャーとしての役割をどうやって務めていこうかと考えたときに、専門知識が乏しく、災害サービスとして独立したばかりということもあるので、まずは課題設定から始めようと。着任当初に合宿をして中長期で何をするかを整理し、メンバーの理解を得られました。専門知識がない分、いちユーザーとして課題をイメージできたのが良かったのかもしれません。

大切にしているのは、メンバーと「何を課題とするか?」の共通認識を持つこと。

先ほど挙げた「避難場所マップ」も、どういう目的・意味を持っているのか? ということに共感できないと、メンバーは動けないですよね。最初は不安そうなメンバーも、社内外のいろいろな部署・人から「いいね」と言ってもらうことで自信がついてくるものと考え、それまでは私がブレずに「これは良いことである」と言い続けることが大事だと思っています。

また、社内外のいろいろな方々から言われて自分でもそうかなと思ったのは、メンバーが先に発言するよう促していること。何かレビューをする際も、自分が率先して発言するのではなく、メンバーの発言が一巡した後で何か抜け・漏れがあれば補足するタイプです。
まずは主体的に動いてみてもらって、何かあったときや困ったことが出てきたときに声をかけてもらえばいいと思っているんです。

-ユーザーの皆さんへのメッセージをお願いします!

ユーザーからカスタマーサポートに寄せられる「ありがとう」「いつも利用させてもらっています」といった声が一番うれしいです。
電車の中で使っていただいているのを見かけるのもうれしい瞬間のひとつです。

今後もいち早く災害情報を「届ける」ことに努めつつ、災害が起きていないときから災害に「備える」側面を強化していきたいと考えています。どうぞご期待ください!

災害サービスマネージャーの竹内

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※記事内容および、社員の所属は取材当時のものです。