「東京五輪後を見据えて」スポーツナビの展望

スポーツナビサービスマネージャー 小林

Yahoo! JAPANには「Yahoo!スポーツ」と「スポーツナビ」という2つのサービスがありましたが、2013年10月に統合。現在の「スポーツナビ」になりました。

今回は、スポーツナビが掲げるミッション、東京五輪後までのスポーツ界を見据えた今後の展望について、サービスマネージャー兼ワイズ・スポーツ代表取締役社長の小林に聞きました。

・3つの「カンドウ」をつなげる
・何をやるかを決めるのがサービスマネージャーの仕事
・東京五輪後、2021年のスポーツ界を見据えて

3つの「カンドウ」をつなげる

―サービスの概要、目指しているものを教えてください

サービス規模は全デバイス(パソコン・スマートフォンのウェブ版・アプリ)のDUB(Daily Unique Browser数)を指標にしており、夏の甲子園が大きく盛り上がった8月には、全デバイスを合わせて1000万DUBを超える日が何回かありました。

基本的に、スポーツナビでは「広さ×深さ」を追っています。
「広さ」は、全デバイスにおけるユニークブラウザー数。特にアプリユーザーを増やすことに注力しています。
「深さ」は、1人のユーザーにどれだけ使っていただけるか。1日に何回アクセスしているか、1回ごとに何分使っているかなど、細分化した数字も見ますが、最終的には1日ごとのトータルの利用時間を見て、テレビなどと比較できるようにしています。

スポナビの根幹となるのは、データ速報系のサービスです。代表的なのが「スポナビ プロ野球速報」というアプリ。多いときはアプリ単体で200万DUBあります。試合がある日は、複数回使っていただけますが、記事やデータ速報以外のコンテンツの厚みを増やすことで、試合がない日にもアクセスして楽しんでもらえるようにしています。

試合がない日にも好きなスポーツに触れる機会を増やし、ファンを増やすことが、私たちがやらなければならないことだと考えています。

また、私たちが掲げているミッションは「3つの『カンドウ』をつなげて、豊かなスポーツライフを実現させる」というもの。

1つ目はメディアとして「スポーツの『感動』を届ける」。
2つ目は「ファンをもっと『観導』して、スポーツ界に貢献する」。
いくら優れたサービスやアプリを作っても、やはりスタジアムで実際に観る方がスポーツは面白い。
だから、われわれのサービスを通じて「観るに導く」という意味です。
3つ目は語呂合わせですが「スポーツを『Can Do』する人を増やす」。
Doスポーツの領域に注力をし始めています。

スポーツナビ サービスマネージャー小林
(スポーツナビサービスマネージャーの小林)

―他のスポーツメディアについて、どのように捉えていますか?

メディア領域では「スポーツブル」や「Baseball Gate」などスポーツ専門サイトが増えてきましたし、NHKスポーツオンラインやAbemaTVのSPORTSチャンネルなど、映像メインながらスポーツに注力しているサービスが気になります。
また、情報を伝える速さという意味では、Twitterを筆頭としてSNSの存在感も大きいですね。オウンドメディアも育ってきており、Jリーグのオウンドメディアや、朝日新聞とABC朝日放送がやっている「バーチャル高校野球」なども大きく成長しています。

ただ、これらのサービスは競合というよりパートナーという関係性の方が強いです。先にあげたサービス以外にもテレビ局やDAZN(ダ・ゾーン)など、いろいろなメディアからの情報提供を受けて連携しているという意味では、競合ではなくコンテンツパートナーです。
サッカーや野球だけでなく他の競技も同様に、競合でありパートナーにもなり得る相手が非常に多いのは、スポーツナビの特徴であり、大変な部分でもあると思っています。

スポーツナビ サービスマネージャー小林

何をやるかを決めるのがサービスマネージャーの仕事

―スポナビのサービスマネージャーになった背景を教えてください

前職で経験した広告代理店の仕事はエキサイティングでしたが、どんなに必死に作っても、キャンペーン期間が終わると世の中から消えてしまいます。やりがいはありましたが、何か形に残るものを作りたいと考え、ヤフーに転職。その後、何のサービスをやりたいか問われたときにスポーツを希望し、 2015年4月にサービスマネージャーに就任しました。

実は、学生時代に東北楽天ゴールデンイーグルスの立ち上げに携わっていたんです。楽天野球団という会社でファーストシーズンの直前、半年間くらいアルバイトをしていました。アルバイトながらその半年間に1つのプロスポーツチームができあがるプロセスが全て詰まっており、とても勉強になりました。そして迎えた開幕戦をバックネット裏で見たときに、それまでの人生で一番感動したのです。

―サービスマネージャーとして大切にしていることは何ですか?

正直な話、各競技の詳しさやファンの心情の理解度などは、メンバーにかないません。そのため、新しいことや先のことを考えること、外部の人とたくさん話すこと、社内外のリレーションをしっかり作ることを意識しています。

特に大切にしていることは「なぜ今これをやるか」をどれだけメンバーに伝えきれるか。
スポーツナビの仕事では、野球の開幕対応や平昌五輪、開発の全社対応などの「やらなければならないこと」、動画コンテンツをもっと増やす、Jリーグのチケットを売るなどの「やるべきこと」、Doスポーツに注力したい、連載企画をやりたいなどの「やりたいこと」などに意識わけをしています。

それらの優先順位を付け、なぜこれを今やるのかの理由をメンバーに伝えきることが、私がやらなければならないことだと思います。サービスマネージャーとしても、ワイズ・スポーツの社長としても、最も気を使っている部分です。

その判断を間違えないようにするために、いろいろな情報を仕入れておかなければなりません。Yahoo! JAPAN全体はもちろん、スポーツ界、各リーグやチーム、競技関係者、広告、映像系のサービス、スポーツ庁などが何を考えているか、常に少し先のことを考え、情報を探るのも私の仕事だと思っています。

スポーツナビ サービスマネージャー小林

東京五輪後、2021年のスポーツ界を見据えて

―2020年に東京五輪が開催されますが、スポーツ界やスポーツメディアがどうなっていたら良いと思いますか?

メンバーに言っているのが「スポナビは2021年を目指そう」ということ。
2020年までは、多くの人が自然とスポーツのことを考えるのではないかと思います。だからこそ、終わった後の2021年が勝負だと思っています。
「東京五輪をどうしたいか?」ではなく、その後のスポーツ界で、われわれがどれだけ多くの人をつなげて、便利にできているかが大事です。

例えば、日本がスポーツクライミングでメダルを獲得したら、自分もやりたいという人が出てくるはずです。でも、スポーツクライミングができる場所を探そうとしても情報がまとまっていなかったり、施設予約ができなかったり、やり方が分からなかったり…という状況だったら、競技の盛り上がりを持続するのは難しいと思います。
でも、「スポーツナビDo」の中で、クライミングの施設予約ができて、ハウツー動画もそろっていて、初心者向けのグッズもYahoo!ショッピングで買えたら便利ですよね。
オリンピック後の2021年に何かスポーツをやりたいと思った人が、スポーツナビをきっかけに、さらにその競技にのめり込めるよう、3つの「カンドウ」を楽しめるサービスにしておきたいと思います。

私は「スポーツナビ」という名前が大好きなんです。「全てのスポーツ情報をナビゲーションしている、スポーツナビに来れば何でもある」という思いが込められていると思います。
記事やデータ、動画、チケット、物販など、スポーツに興味がある方に使っていただける全てのコンテンツがそろっていますが、これらをもっとユーザーが欲しいタイミングでしっかりと届けて、もっと便利にしたい。その名の通り「スポーツナビゲーション」という存在になりたいですね。

スポーツナビ サービスマネージャー小林