【アスリート社員として働く】パラバドミントン:杉野明子

【アスリート社員として働く】パラバドミントン:杉野明子

Yahoo! JAPANは、今年の4月1日、 障がい者アスリートが現役期間中に競技活動と両立して業務経験を通じスキルを習得できる「障がい者アスリート制度」を開始しました。
今回は、この制度で実際に働いているアスリート社員、パラバドミントンの杉野明子に、どのように仕事と選手生活を両立しているのか、これから挑戦したいことなどを聞きました。


- 現在の、選手生活と仕事の両立スタイルについて教えてください。

今年の5月から、毎週月曜日から木曜日は朝9時から13時まで勤務し、午後はほぼ毎日、21時くらいまで練習をしています。練習場所によっては、自宅に着くのが23時を過ぎてしまうこともあります。
金曜日は朝から一日中、練習しています。練習場所への移動時間もあるので、10時間くらい練習できると「今日はしっかり練習できた!」と思えます。

週末も練習したり、試合があれば出場したりという感じで、仕事以外の時間のほとんどをバドミントンのために使っています。

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- 本格的に競技活動と仕事の両立をしてみてどうですか? 

思っていたよりも体力的にはキツかったですし、毎日が想像以上に慌ただしく過ぎていくな……と感じることもあります。
でも、この制度ができる前は、月曜日から金曜日までフルタイムで仕事をして、練習ができるのは土日だけでした。平日に練習ができることがとてもありがたく、すごく幸せなことだと思っています。

平日にフルタイムで働いて土日は練習するというスタイルだった時は、「練習時間が短い中でも成果を出さなければ!」と練習していても焦ってしまい、あまり身になっていないような気がしたこともありました。また、仕事の疲れで時には土日のどちらかはお休みしたり、土日どちらも練習ができなかったりしたこともあります。練習時間が短くなってしまうと、試合に出ても納得のいく結果が得られず、思うようなプレーもできないという状態が続いていました。
周りの選手はもっと練習に打ち込める環境が整っていたり、練習時間がしっかり確保できていたりすると知るとさらに焦って「もっと頑張らなくては」と思うのですが、体が気持ちについていかない、という悪循環でした。

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(トレーニングにも時間をかけられるようになったそうです)   

そんな時、人事担当の方から、私たちアスリートがどういう環境で練習しているのか、仕事はどういう風にやっているのか、両立する上で困っていることは何か、などを聞かれ、アスリートを応援する制度ができるかもしれないということを知りました。まだ詳細はわかっていませんでしたが、そのことを聞いた時は、素直に「やった」という気持ちでしたね。

ただ、一般的なアスリート雇用では、選手は勤務をせずに毎日練習したり、試合に参加する際の費用は会社が出してくれる、という契約になることが多いのですが、ヤフーの制度はそういう内容ではなさそうだったので、実際はどんな支援になるんだろう? と少し不安な部分もありました。
そのころに出場した世界選手権でアキレス腱を切ってしまい、選手としてこれからどうしようと焦りや迷いもありました。もっと本格的にバドミントンをやりたいなら、アスリート雇用の会社で働いた方がいいのだろうか、と悩んだ時もありました。

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「アスリートとしての夢もこの会社でかなえたい」

- そんな迷いもあったなか、ヤフーに残ったのはなぜですか?

私はもともと、ヤフーの仕事に興味があって入社しました。面白い会社だと思っていましたし、これからもどんどん変わっていく会社なので、それを見てみたいなと。
また、ヤフーとしてアスリートのサポートができればと思っていたので、今回の制度でサポートしてもらえる立場に自分がいるというのは、すごいことですし、「アスリートとしての夢もこの会社でかなえたい」と思いました。

一般的なアスリート雇用の場合、選手たちは出社することはほとんどないと聞いています。それは練習や試合が仕事だからなのですが、その会社の一社員として考えると、それだけでいいのだろうか……と悩むところでもあります。
私はもともと、ヤフーでフルタイムで働いていたので、勤務する時間は少なくても、基本的には決まった日に出社でき、同僚と一緒に働けるということが、この制度のいい点だと感じています。

今回できた「障がい者アスリート制度」は、アスリートが競技を引退してからの生活も含めてサポートしてくださるというものですが、正直まだまだ引退のことは考えられないんです……。
ですが、遠い将来だとしても、いつかはやってくる引退後に、社会人として仕事をする可能性を考えると、練習と両立できる範囲で業務を経験しスキルを吸収できるということは、引退後の人生において役立つと思いますし、ヤフーのアスリート制度は、選手としてだけでなく、会社員としても今後やりたいことを夢に描ける制度だと思っています。
    

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- 両立する上で、工夫していることを教えてください。

短時間勤務なので、その時間内で業務を効率よく回していくための工夫をすることは意識していますし、この時間でここまでやると決めたら、そこまでは必ず終わらせてから練習に向かいます。
私が退社してからの業務をスムーズに引き継ぐため、できるだけ詳細に今後の作業についてしっかり伝えるように心がけています。

私が所属している購買部では、購買システムを通して依頼を受けた見積もりや発注について取引先とやりとりする業務が多いですが、私は勤務時間が限られているため、支払処理や伝票のチェック作業など、一人で出来る業務を主に担当しています。
ただ、自分だけで完結できる仕事だけだと、周りの人とのコミュニケーション量が減ってしまうため、あえてチームメンバーとのコミュニケーションが発生するように上長が体制を調整してくださったんです。アスリート制度を使って勤務するようになってからも、周りの人たちが変わらずに接してくれることが、とてもうれしいです。

まだ、練習と業務の両立生活に慣れていなくて毎日バタバタしていることも多いんです。練習場への移動中に、さっとおにぎりを食べることもあります。もう少し時間を上手にやりくりできるようになったら、時にはチームのみんなとランチに行きたいですね。

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- 仕事で、選手として、これから挑戦したいことを教えてください!

学生時代は福祉を学んでいたので、ヤフーの仕事を通じて、福祉や社会貢献、そしてパラリンピックだけでなく「福祉とスポーツ」に関する仕事などに挑戦してみたいです。
自分がこれまでに学んできたものや経験してきたことなどを、いつかヤフーのサービスに生かせたらと思っています。

選手としての目標はもちろん、2020年の東京パラリンピックでメダルをとることです!

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【バドミントン豆知識】
・選手がショットした瞬間のシャトルのスピードはギネスブックによる世界記録では2013年7月に時速493キロ

・公式大会で使用するシャトルは水鳥の羽根とコルクでできている。1回のラリーで羽根が折れてしまうこともあり、折れたら使えなくなる。

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【関連リンク】
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