介護をしながら働く「働くことを含めた生き方」

介護をしながら働く「働くことを含めた生き方」

前回、 週末を利用して家族の介護をしている方をご紹介しました。
今回は、介護時短勤務制度を使っている方に、両立のためにどんな工夫をしているのかなどを聞きました。

- 現在の勤務状況を教えてください。

今年の5月から、介護時短勤務制度(※1)を利用しています。9時から15時半まで働いて、帰宅後は家事を中心に介護をやっています。
(※1)1日の所定労働時間を5時間までに短縮する制度

3月に母の体調が悪化したため、土日に有休を追加して、 2週間に1度のペースで実家に帰っていました。父はまだ働いており、このままでは父も倒れてしまうのでは……と不安になって上長に相談したところ、時短勤務の制度を使ってみてはとアドバイスをいただきました。

- 介護と仕事を両立して感じたことはありますか?

介護と仕事を両立させるリズムをつかむまでは「大変!」の一言でした。
朝は5時半に起きて、母の食事を作ってから出社しています。母の食べたいものや食べられるものが日によって違うため、おかずを何種類か作っておく必要があるのでちょっと大変です。

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出社後は、限られた時間の中で均等に集中力を発揮しなければ! と思いながら勤務しています。
時には急に早退させてもらうこともあるので、できるだけ自分のタスクを他の人に伝えておくことを心がけています。また、どうしても必要な時は、前もって父に介護をお願いして、残業ができる日を確保しています。

家事については、料理は私、洗濯や掃除などは父、という役割分担が定着してきました。
忙しい毎日ですが、うまくガス抜きできるような時間を少しでも持つようにしたいと思っています。父も私もお酒が好きなので、すべての家事が終わってから2人で「おつかれさま」と晩酌するひとときが最近は楽しみです(^^

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- 介護時短勤務制度を使ってみて、感じたことを教えてください。

「どこでもオフィス」(※2)の制度にはとても助けられています!
家事をしながら仕事もできますし、介護で体力的につらい時には通勤時間が0分になるのもありがたいです。
母を病院に連れて行くことも多いので、たとえば1時間単位の休暇がとれたら、朝や夕方の通院の時間だけ有休にできて効率のいい働き方につながるのではないかと感じました。
(※2)月2回まで、自宅やカフェなど、どこでも仕事ができる制度

介護のための時短勤務は、家族1人につき1年ずつ取得できます。
この1年をどう使えばいいのだろう……と悩んでいた時に「これは、どういう介護をするかを決めるための1年だよ」と言われました。そういう発想はなかったため、なるほど! と思いました。
ただ、このまま自宅で介護をしていくことになった時に、自分がどのように働いていくかは、まだ結論が出ていません。

- これから介護を経験する方に伝えたいことはありますか?

これまでは仕事のことばかり考えていましたが、介護をきっかけに少し視野を広げてものごとを見られるようになったことで「 働くことを含めた生き方」を考えるようになりました。

人生の中では、それぞれが会社員、母親、父親、妻、夫、子どもなど、複数の役割を担っています。その割合は変化するものだという 「ライフキャリア・レインボー」という考え方が、とてもしっくりきています。

今は、久しぶりに「子ども」の役割が多くなって介護と仕事に向き合っているのだと思っています。

以前「ひと1人をみるのに、1人だけではみられないよ」と言ってもらった時に、気持ちが少し軽くなりました。
これから介護に直面する人には、周りのみんなが助けてくれるから大丈夫ということ、 とにかく1人で頑張りすぎないでください、と伝えたいです。

【関連サイト】
介護をしながら働く「身の丈にあった介護」とは
「仕事」と「介護」の両立ポータルサイト(内閣府)
介護休業法のあらまし(PDF)(厚生労働省)