介護をしながら働く「身の丈にあった介護」とは

介護をしながら働く「身の丈にあった介護」とは

総務省平成24年「就業構造基本調査結果」 によると、働きながら介護する人は約290万人。そのうち約200万人はまだ働き盛りの年代です。
多くの人が働きながら介護をする時代になりましたが、突然やってくることが多い介護と仕事の両立は、容易ではないようです。
介護が続く期間は先が見えないことが多く、仕事と両立するためには会社の制度を上手に利用することも必要です。

社内でも介護をしている人の話を時々聞くようになりましたが、どんな工夫をしているのでしょうか?
今回は、週末を利用して家族の介護をしている方に話を聞きました。

- 今の介護の形態を教えてください。

約5年前から、毎週金曜日に帰省し、週末は実家で家事と介護をしています。
日曜日の夕方か、月曜の早朝に戻ってきてそのまま出社するというスタイルです。時には「どこでもオフィス」(※)を使って実家などで仕事をすることもあります。
(※)月2回まで、自宅やカフェなど、どこでも仕事ができる制度

- 介護を始めてから、働き方に変化はありましたか?

介護が理由での変化はありません。むしろ、仕事に支障がないので続いています。
帰省していても社内の情報確認できる仕組みがあるので、何かあった時には緊急対応ができるなど、続けられる環境が整っていると思います。

- このスタイルを選ぶ時に考えたことはありますか?

いろいろな選択肢を考えましたが、自分の生活や仕事において、今以上に無理をすることは、まだ考えていません。すべて犠牲にしてまでは介護をしないと決めています。

毎週帰省することは、ハードなように思われるかもしれません。介護だけだと気分が滅入ると思い、自分自身もリフレッシュできるよう料理や畑仕事も取り入れているので、無理なく続いているのだと思います。
一番大切なことは、何よりも無理をしない、身の丈でやることです。

- 介護をする上で一番心がけていることはありますか?

「楽しい介護」をしたいと思っています(^^
私が子どものころ、両親が共働きだったので、祖母が何を置いても私のことを優先し育ててくれた恩に少しでもお返ししたい。とても自然なことだと思っています。
自分が介護に加わることで、祖母の状態が良い方に現れている実感があるので、できるだけ最善を尽くそうという気持ちになれますし、介護をつらいと思ったことはないですね。

自宅介護のメリットは、介助すれば自力でできることは本人に挑戦してもらい、そこで体調を細かく確認できるところです。認知症が進行しているため相手が誰なのかを理解しての会話はできませんが、祖母の反応をみると家族の気持ちが伝わっていること、外泊介護の日より体調がよいという実感があります。  

ただ、自宅介護は平日ずっと祖母を介護している母に負担がかかるので、私が週末の家事を担当することで母を支援し、間接的に祖母を支援することにもつながると思っています。

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- これから介護を経験する人へのアドバイスをお願いします。

介護は長期戦なので「絶対に無理はしないでください」と伝えたいです。
自分の人生や仕事とのバランスをちゃんととることが大切です。いつか介護が終わった時に、後悔しない介護の仕方を選んでほしいです。介護がなくなったときに、それを理由にはできなくなりますから。

また、介護をするタイミングはいつくるか誰にもわかりません。その時がきてからでは遅いので、まだ大丈夫、と思えるうちに情報収集をしておいた方が、後悔しない選択ができるのではないでしょうか。

育児に比べて介護は情報源がまだ少ないですし、家族構成や住居環境、経済条件によって最適な選択肢はひとつではないので、できるだけ多くの人にアドバイスを受けることが大事だと思います。
私はヘルパーさんに相談できたことがとてもありがたかったですし、介護をしているうちに、病院に連れて行く症状なのかそうではないのかなども、だんだんわかるようになってきました。

介護をする社員はこれから増えてくると思うので、情報共有の場が社内にできるといいですね。
料理では、祖母でも食べられる味付けで悩むことも多いんです。料理での失敗談はたくさんあるので、そんな話ならいくらでもできますよ!(^^

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【関連サイト】
「仕事」と「介護」の両立ポータルサイト(内閣府)
介護休業法のあらまし(PDF)(厚生労働省)