【Yahoo!基金「助成金」の使われ方】宮城県・山元町のNPO法人「未来に向かって助け合い」編

【Yahoo!基金「助成金」の使われ方】宮城県・山元町のNPO法人「未来に向かって助け合い」編

Yahoo!基金で事務局を務める石川です。Yahoo!基金は、ヤフーが2006年に設立した任意団体で、災害復興支援やNPO支援などの活動を行っています。昨年9月から災害復興支援活動の一環として、東日本大震災の復興支援に取り組む非営利団体を支援する新たな助成事業を始めました。
今回はその助成先の一つ、宮城県亘理郡山元町で活動するNPO法人「未来に向かって助け合い」が中心となって開催した「住民ふれあい新年祭」を取材してきました。

2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源とした巨大地震は、山元町でも震度6強を観測しました。そして15時50分ごろ襲来した大津波により、町民636名の尊い命が失われました。住戸の被害も甚大で全壊が2217棟、半壊なども含めると4440棟が被害にあいました。
甚大な被害に見舞われた山元町に、2011年6月から現地に入り活動されているのが、今回の助成で「住民ふれあい新年祭」を中心となって企画したNPO法人「未来に向かって助け合い」の福井福治さんです。 

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NPO法人「未来に向かって助け合い」の活動とは?

NPO法人「未来に向かって助け合い」の代表を務める福井さんは震災直後より岩手県釜石市、宮城県・女川町などでボランティア活動に取り組まれました。山元町で活動を始めたのは、牡鹿半島で活動していた折、人づてに山元町にある普門寺でボランティアの手が足りず困っているという話を聞いたのがきっかけだったそうです。 

福井さんの活動は、5年近くに及んでいますが、年月の経過とともに泥かきなどの復旧支援から、生活を再建する復興支援に活動の軸が移り変わっています。
2012年から、津波のため放置された畑を借り受け、桑の苗を買い付けて栽培、3年をかけて5000本にまで増やし、2014年から桑茶として出荷しています。数年掛けて研究を重ね、いまではおいしいと評判が立つまでになりました。

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(2015年9月頃の桑茶畑)

住民たちが集う「山元夢ファーム」ができるまで

こうした地道な活動を通じて福井さんは、地域住民がいつでも集え、住民たちが笑顔になるような癒やしとなる場所が必要だと考えるようになりました。また、同時に生業支援として山元町に雇用を生み出すことができないか考えるようにもなりました。
住民たちが集う場所とするため、2015年5月津波で流されたゴルフ練習場跡地に「山元夢ファーム」をオープン。手作り感満載の牧場には、南相馬で育ち震災の影響で関東に避難していたポニー3頭が暮らしています。飼育は、地元ボランティアの手で行われており、近隣の住民や子どもたちにもよい変化をもたらしています。
「大坪くんという地元の中学1年生の少年が、ポニーとの触れ合いをきっかけに、将来騎手になる夢を持ったんです」

よそ者がきたと警戒されることもあったそうですが、集まっている地元住民に話を聞くと、いまではきちんとした信頼関係ができていると感じました。

「生業支援のため、この夢ファームにレストランを開くのが夢です。地元の方々の手で、ここでしか食べられない料理が振る舞えるよう、年内開業を目指して準備を進めています」 と福井さん。まだまだ地元の人との連携を強めていく必要があるとも話してくれました。

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「住民ふれあい新年祭」を開催

2016年1月に開催された「住民ふれあい新年祭」は、小学生を中心に山元町で15年に渡り活動している創作和太鼓集団「風雲乱打舞」による演奏で幕を開けました。この日は、前夜に降った雪がうっすら積もる中、寒さに負けず元気いっぱい力強い太鼓を響かせていました。

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会場には、静岡からやってきたというクラウン(道化師)の3人も登場。この3人も福井さん同様に震災直後から山元町の支援を継続して続けています。「子どもたちの遊び相手になる、一見何でもないように思えることが、被災後の山元町では求められていた支援のひとつで、いまもそれは変わりありません」とクラウンの会のみなさんは話します。

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会場の「山元夢ファーム」に設置されているオーブンを使って窯焼きピザを提供していたのは、「山元町宇宙っこクラブ」の米谷学さんです。山元町がにぎやかになり、居住する方が増えるよう町おこしをしたいと、毎週土曜日、地元の会場でパソコン教室、工作教室、英会話教室などを開く活動を継続されています。またこのほか、年に数回、住民総参加で行うイベントを自ら企画されているそうです。

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なぜYahoo!基金が助成することに?

今回、Yahoo!基金への助成を受けるきっかけを作られたのも米谷さんです。Yahoo! JAPANのトップページに掲載されていた助成受付のお知らせをたまたま見つけ、福井さんに紹介、すぐに応募をすることになったそうです。これまで復興支援の助成を受けたことはなかったとのことですが、今回の助成を通じて、夢ファームに関わるメンバーで一丸となってやろう! という意識の変化が生まれているそうです。

Yahoo!基金が9月に立ち上げた復興支援助成《通年受付》プログラムは、地域に根ざした小さな活動を迅速に支援できるようになりたいという想いで作りました。今回の応募いただいた中でNPO法人「未来に向かって助け合い」の「住民ふれあい新年祭」は、地元を自らの手で盛り上げていこうという熱意が申請書類からあふれ出て伝わってくるものでした。その点が、助成先に決定した要因の一つでした。

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いま現地に必要な支援

今でも福井さんの元には、さまざまな大学のサークルや企業からボランティアの問い合わせが届いているそうです。例えば、春には山形県庁の新人研修の場として山元町へボランティアに訪れる予定もあります。現地では、側溝の掃除から草取り、桑畑の手入れなど、まだまだたくさん手を借りたい仕事があるそうです。
「夢ファームを大きくしていくため大工作業が得意な方にお手伝いをお願いしたい」「桑畑の手入れはすべてが手作業、6月からは新芽の摘み取りもはじまるので手が足りない」「そして今後も夢ファームを運営できるよう資金的な支援が欲しい」と福井さん。
5月頭には、山元夢ファームのオープン1周年を記念したお祭りも開催する計画があるとのこと。 ぜひFacebookページをウォッチして、山元町を訪れてみてください。

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【関連リンク】
Yahoo!基金
山元夢ファーム
山元町ホームページ「東日本大震災および津波の被害状況」