「Yahoo!みんなの政治」と現役高校生が社会課題について考えました

「Yahoo!みんなの政治」と現役高校生が社会課題について考えました

夏の参議院選挙から、選挙権が18歳以上に引き下げられる予定です。Yahoo!みんなの政治では、次回の選挙に向けて、18歳が興味を持てるコンテンツ作りを進めています。そのコンテンツづくりの鍵となる「社会課題アイデアソン」 について、担当の前田さんと高柳さんに聞きました。

−今回の「社会課題アイデアソン」は、どういった取り組みなのでしょうか?

前田
アイデアをマラソンのようにたくさん出し続けるアイデアソン形式で、主に18歳の高校生に政治や社会課題について考えてもらう取り組みです。
具体的には、まず身近な社会課題を出してもらい、その中から話し合う課題を選びます(課題設定)。次にその課題について根拠となるデータをインターネットで探し、最終的に手書きのグラフで表現してもらいます。
優秀作はデータビジュアライズ化(データを可視化すること)して、Yahoo!みんなの政治に掲載する、という流れになります。

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(サポートに入る高柳さん《右奥》)

−少し難しく聞こえますが、高校生は興味を持って取り組んでいるのでしょうか?

高柳:
高校生に身近な社会課題を出して、といきなりお願いしてもすぐには出てこないと思ったので、まずは自分がいま感じている問題、「アルバイト代が少ない」「消費税が高くなった」「タバコの臭いが嫌だ」など、気になることをたくさん出してもらいます。次にその視点を広げていきます。たとえば主語を、「私は」→「私たちは」→「東京都に住んでいる私たち」→「日本に住んでいる私たち」と、視点をどんどん広げていくことで、自分の問題を社会課題として捉え直すところから始めてもらっています。 

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−なぜアイデアソンを実施することになったのですか?

前田:
18歳選挙権に向け選挙や政策の話をわかりやすく伝えて、18歳の心に刺さるコンテンツをつくりたいなと考えていました。ただ僕らのつくるものは教科書的になってしまい、なかなか18歳に見てもらえない課題がありまして……。
そこで、18歳の力を借りて一緒に作ることで読んでもらう糸口が作れるかもしれない、と思い今回の企画をやってみることになりました。

高柳:
アイデアソンは手段で、高校生から出てきた課題を、データビジュアライズ化してコンテンツをつくるまでが今回の取り組みです。 記事型ではなくてビジュアルですぐにわかるほうが高校生に伝わりやすいはずと考え、専門家の協力も得てデータビジュアライズ化を進めています。 

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−実施にあたり、ターゲットや実施高校の選定基準はあったのでしょうか?

高柳:
特定のターゲットに絞るのではなく、広くいろいろな18歳に届けたいという想いがありました。なので、偏差値いくつ以上や情報を専門にしている学校などといった、基準はつくりませんでした。

前田:
今回企画に協力いただいている早稲田大学マニフェスト研究所などにご紹介いただき、実施高校を決めています。おかげさまでほとんど苦労することなく、実施高校が決まりました。

高柳:
模擬選挙などを推進している学校が多く、先生たちも熱心でとても協力的でした。学校の現場では、選挙などについて学ぶ主権者教育やアクティブラーニング(※)が求められており、その一環として取り組んでくださるケースが多かったです。

(※)アクティブラーニング:
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。(出典:文部科学省)

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(アイデアソンの趣旨を説明するサポートスタッフの高橋さん)

ー高校生たちの反応はどうでしたか?

高柳:
「いままできちんと社会課題を考えるきっかけがなく、難しかったけど、面白かった」「はじめてデータ(未加工データ)を探しました」とよく言われます。根拠となるデータを探すのにみんな苦労していました

前田:
これまでデータを探す・調べる、という動機がなかっただけで、高校生たちは調べるとなるときちんと調べられるし、読み解こうとします。その流れのなかで普段絶対に読まないようなニュースも読んでくれる。ただ調べる能力はあるけど、慣れていないから時間がかかってしまうので、そこは私たちがサポートしています。

高柳:
1グループに1人必ずサポートスタッフをつけています。高校生が探してきた根拠とする記事やデータを、スタッフがみて信憑性を話し合います。基本的には白書など国や研究機関が出している一次情報に辿りつけるようにお手伝いします。

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ー高校生の議論をみて、いかがでしたか?

前田:
かなり面白い議論をやっているグループがありました。保育系の専門学校に進学する生徒と、福祉学科に進学する生徒、そしてお母さんが幼稚園の先生という生徒のチームがいて、そこは課題を保育士不足に設定。自分が働くかもしれない分野の課題をちゃんと知っておきたい、という意識で、身近な問題を国全体の話にまで、まるっと考えられていました。
働く人の観点から課題を見つけ、改善する必要があるということをデータで示せていたのはスゴイなと思いました。これまで既存のメディアがやってきた問題提起を高校生でも十分できる、という発見もありました。

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(サポートに入る前田さん)

ーほかにはどんな議論が印象に残っていますか?

前田:
高齢者の数が増えているのに病院の数が増えていない、都道府県によって病院の数に格差があることを設定課題にしているグループがありました。「シルバーデモクラシーの改善や、高齢者重視の政策について若者がもっと声をあげていくべきだ」という意見もあるなかで、実際にいまの高校生に話を聞いてみると、自分たちのメリットよりも上の世代のメリットや暮らしやすさを社会課題として挙げていたことに驚きました

高柳:
高齢者福祉の話はほかでも出ていました。「おじいちゃんおばあちゃんは手厚くサポートしてあげたい」「子育て家庭へも補助してあげたいし、私たちの学費も安くしてほしいけど、おばあちゃん世代からまわして、とまでは言えない」といった会話をよく耳にしました。

前田:
孫の不幸やおばあちゃんの不幸を望んでいる人はいないと思いますが、政治の話ででてくると世代間対立というように表現されることが多いように感じます。高校生の話を聞いて、世代間対立は単にメディアが煽っているだけなのではないか? と考えさせられました。

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ー最後に、今後に向けて一言お願いします。

前田:
当たり前ですが、個人個人で課題と思っていることは違いますし、同じ課題でも、厳密にいうとどこに問題意識をもっているかは違うはずです。それと同じで政党から政策が出てきたときに、個人で受け取るイメージや、個人がして欲しいと思っていることは違っています。今回参加してくれた高校生たちが、メディアが発信する課題を理解するだけではなく、自分の興味関心から政党評価や政治家を評価するところまでつながるといいなと思っています。

高柳:
データビジュアライズ化したコンテンツを、たくさんの方に見ていただきたいと思っています。それを見て、若い人や大人がどう感じるのか? も楽しみです。
また、出来上がったコンテンツを使って社会課題の授業をしてみたい、という声もいただいています。Yahoo!きっずのように、Yahoo!みんなの政治も学校の授業に使ってもらえるようになればと思っています。

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(左から前田さん、高柳さん)

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