リユースを通じて夢や未来を応援! 新しいクラウドファンディング

リユースを通じて夢や未来を応援! 新しいクラウドファンディング

ヤフオク!と電通ソーシャル・デザイン・エンジンの共同企画 リユース活用型クラウドファンディングサービス「reU funding(リユー ファンディング)」が昨年末にスタートしました。企業コラボで行う意義やサービス開始に至るまでの経緯などを、担当の電通・並河さんとヤフオク!の一条さん、萱畑さんにお話を聞きました。 (左から一条さん、並河さん、萱畑さん)


- どのようなきっかけで始まった企画なのですか?

萱畑:
私が所属する部署は「リユースがあたりまえのライフスタイルを広める」という壮大なミッションをもって活動しています。壮大なミッションをどう形にしていくか悩んでいたところ、並河さんの著書「 Communication Shift -『モノを売る』から『社会をよくする』コミュニケーションへ-」に感銘を受け、並河さんを尋ねました。そこで「日本人の4割しかリユースを経験していないのですが、残りの6割の人たちを動かすきっかけづくりを一緒にできませんか?」と、リユースを使ったクラウドファンディングの企画書を見せたところ、興味を持ってくださったのが始まりです。

並河:
電通ソーシャル・デザイン・エンジンは、社会のために企業がどのようなことができるのか? をプロジェクトにしています。「Communication Shift」の最後に「モノを買う以外の方法で、誰かを応援できる仕組みがもっとあるのではないか?」と自分への宿題の気持ちで書きました。そしたらそれをやろうとしている人が来てくれて(笑)。一緒にやらせてください、となりました。

チャリティーバザーやペットボトルのキャップを集めるなど、必要なくなったモノで誰かを応援するという行為は昔からあることですよね。世の中に全然ないことをウェブ上でするのは無理がありますが、昔からある行為をヤフーというたくさんの人が集まる場所で実現できるとすごくいいだろうなと思ったのです。

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リリースまでは順調な道のりだったのでしょうか?

萱畑:
リリースまで1年ほどかかりました。順調だったのでしょうか?(笑) 

並河:
こういった社会的なプロジェクトとしては、順調に進んだと言えるのではないでしょうか。やはりまずはリリースできることが大事だと思います。

萱畑:
短期的に利益を出すことが目的のプロジェクトではないので、社内での説明や開発リソースの確保には時間を要しましたが、上長の後押しもあり、リリースまでこぎ着けることができました。

一条:
ヤフオク!の責任者としては、6割のリユース未経験者が、将来的な新規ユーザーの獲得につながるという仮説のもとトライすることにしました。現在ヤフオク!にはさまざまなユーザーが参加してくださっていますが、誰かの夢や未来を応援する、という金銭的でないモチベーションで参加してもらうことは、とてもチャレンジングでやりがいのある取り組みだと思っています。

それぞれ の役割について教えてください。

一条:
サービスの運用をヤフオク!で行っています。すぐに営業利益につながらない案件は、やるべきだと思っていても煮詰まってしまうことがあり、そういったときに、ビジョナリーに大義を語ってくれる並河さんがいてくださったので、現場を含めてモチベーションを保つことができリリースできたと思っています。

並河:
ありがとうございます。ヤフーの社員のみなさんは、汗とか涙とか人の気持ちなどを大事にする方が多く、一緒に仕事させていただいて楽しいと思っています(笑)

自分の役割としては、主にコピーライティングやネーミング、デザインの監修を担当させてもらいました。最初は違う名前も考えたのですが、ある日、REUSE という文字を見ていたら、Uが上に上がっていく矢印に見えまして。モノが使わなくなって価値が下がっていくのではなく、Uの文字のようにまた上がっていく、価値を生んでいくようなイメージで「リユー ファンディング」としました。

具体的にどういったことができるサービスなのですか?

萱畑:
プロジェクトに共感した人が、モノを「買う」もしくは「売る」の二つの方法で支援できます。「『売る』で支援」は、家に眠っているモノを買取サービスを使って売り、その販売金額の一部もしくは全額を支援にあてることができます。「『買う』で支援」はプロジェクト実行者のモノをヤフオク!で買う(落札する)ことで、プロジェクトを支援できます。

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これまでの成果は?

萱畑:
第一弾はホテルオークラ東京のご担当者の方がサービスコンセプトに共感してくださり、客室やレストランの建替えの際に集められた家具を出品し、福島県相馬市と岩手県大槌町の子どもたちの音楽活動資金を募るプロジェクトを実施しました。結果、4000万円を超える支援金が集まり目標を大幅に上回ることができました。

一条:
リユースをきっかけに、ヤフオク!の新規ユーザーを増やせることがある程度証明されたと思っています。また想定以上にメディアに取り上げていただけたのはうれしかったです。今後さらに続けていこうという勇気をもらいました。

並河:
中古品というと価値がダウンしたモノと思われがちですが、かわりに物語という価値が付いたと思うと、すごく見方が変わってきますよね。物語を伝えて価値を感じてもらえるモノはまだまだある、と実感できました。

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現状の課題はどういったことでしょうか?

一条:
「『売る』で支援」は想定より参加しづらいということがわかりました。価値があるモノを探して送るという行為は、時間と手間がかかってしまいハードルが高くなっています。ただ手間をかけた分、満足度はお金での支援よりあると思っています。

並河:
「応援したい気持ち」と「何を売るか」をもっとリンクさせていきたいですよね。

萱畑:
倉木麻衣さんのプロジェクトは、他のプロジェクトと比較して「『売る』で支援」の反応がよいモノでした。ファンとの結びつきが強かったのだと思います。いろいろなプロジェクトで可能性を試していければと思っています。
また今後は、◯◯を集めます、とカテゴリーを絞った投げかけをしたほうが参加しやすいのではないか、とも思っています。

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今後、どのようなサービスにしていきたいですか?

並河:
企業でしたら、自社に眠っているモノを使うことで社会貢献活動のPRができます。NPOなら資金調達や新プロジェクトの立ち上げ、著名人の方ならファンとプロジェクトをつくるという使い方もできます。いろいろな使い方がもっともっと広がっていくといいなと思っています。
それから「古いモノを楽しめるのが大人」というコミュニケーション、アプローチもしていきたいですね。

萱畑:
まずは参加してくれる人を増やし、サービスの認知度を高めていかなければなりません。将来的には一般的なクラウドファンディングサービスのように、もっとさまざまな人がプロジェクトの実行者になれるようにしたいと思っています。

一条:
ヤフーがやるからには、スケールを大きくしていかないと意味がない。そのためにも、固定客やユーザー数をもっと増やして、自走できるようなサービスにしていかなければと思っています。

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