「福島に“つながる”弁当」が駅弁激戦区に参戦 ヤフーのお弁当事業

「福島に“つながる”弁当」が駅弁激戦区に参戦 ヤフーのお弁当事業

食べることで関われる復興支援としてはじまったヤフーのお弁当事業は、これまで20万食以上を販売。ランチタイムの社内販売とネット通販からはじまり、現在は駅弁の激戦区、羽田空港や東京駅でも販売されるまでになりました。
最新の弁当「福島に“つながる”弁当」のパートナー企業で福島県の地域活性化に取り組む馬場大治さんと、ヤフーで弁当事業を担当する森さんに話を聞きました。
(左から弁当監修の萩シェフ、コンセプト・ビレッジの馬場さん、生産者の白石さん、ヤフーの森さん。東京駅の「駅弁屋 祭」にて)

−ヤフーのお弁当事業について教えてください。

森: 
さまざまな人が東日本大震災の復興に関われる取り組みとして、食に注目し、3年半前にお弁当事業を始めました。ですがヤフーに食べ物づくりのノウハウがあるわけではないので、外部のいろいろな方と連携してお弁当の企画・販売を行っています。この3年間で約30種類のお弁当をつくり、累計20万食以上を販売しました。1個につき50円(駅弁は10円)の寄付をつけており、これまで約460万円を東北の一次産業に関わる団体などに寄付しています。

−これまでどのようなお弁当を販売してきたのですか?

森:
去年末まで「石巻爆速復興弁当」という名前で、宮城県石巻市の食材をメインに使ったお弁当を中心に販売してきました。こちらは、お弁当やケータリングのデリバリーを行っているスターフェスティバル株式会社と共同で企画しました。
実は「石巻爆速復興弁当」は昨年末に大幅リニューアルし、現在は「三陸ごちそう玉手箱」という名称に変更して販売しています。震災からまもなく5年がたちますが、第一次産業の復興はまだまだできていません。石巻だけでなく、広く東北3県のおいしい食材を使うことで、より広く伝え、味わってもらうことができるのではないかと考えリニューアルしました。
最新作の「福島に“つながる“弁当」シリーズは、福島の地域活性化に取り組む株式会社コンセプト・ヴィレッジの馬場さんと連携してつくることになり、今にいたります。 

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(左からコンセプト・ヴィレッジの馬場さんと復興支援室の森さん)

−どういった経緯で「福島に“つながる“弁当」ができたのですか?

馬場:
私は東日本大震災をきっかけに地元・福島に戻り、農業をプロデュースする会社を立ち上げました。その後、人材育成プロジェクト「福島復興塾」や「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」でご一緒させてもらっているキリン株式会社などと協力して食のプロジェクトを考えていました。
そのなかで、食で復興支援を行っている事例を探しており、ネットで検索して偶然ヤフーがお弁当事業をやっている記事を見つけたのです。ぜひアドバイスをいただきたくて訪問したところ、一緒にやりましょう! と言っていただいたのです。

森:
馬場さんはUターンで福島に戻られ起業し、食を通して復興や地元を活性化する取り組みをされていました。ヤフーとしても、地元に根がある方とご一緒できるのはとても強みになると思ったのです。

馬場:
「福島に“つながる”弁当」シリーズは、第一弾「麗山高原豚のあまから焼き弁当」、第二弾「至高の福島牛弁当」を注文販売のみで行っていました。企業のCSR関係の方などから声をかけていただき、1万4000食以上を販売することができています。 

第三弾「シェフのトマトハンバーグ」からは、一般の方にも食べていただこうと駅弁・空弁売り場での販売を始めました。駅弁・空弁の販売がスムーズに実現したのは、ヤフーのみなさんがいてくださったおかげだと思っています。 

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(写真:Masahiro Hayata)

−最新作の「シェフのトマトハンバーグ」はどのようなお弁当なのでしょうか? 

馬場:
まず「福島に“つながる”弁当」シリーズでは、食材の採用基準を、福島県内の次世代農家で、エース級(出荷量が年間1000万以上)の生産者としています。おいしいのはもちろんですが、こういった生産者には物語やこだわりがあるのです。
たとえば、じゃがいもや玉ねぎは、震災以降、風評被害に立ち向かう白石長利さんという生産者で、無農薬・無化学肥料のものです。こういった生産者たちの物語を弁当の包み紙の裏に書いています。

森:
生産者の物語は、復興デパートメントのFacebookなどでも消費者目線で本当に伝わるのか? を意識して発信しています。

−味にもかなり自信があると伺っています。

馬場:
はい、農林水産省が認定する料理マスターズを受賞しているフランス料理・萩春朋シェフに監修をいただき味にもかなりこだわりました。もちろん放射能検査も行っています。

また萩シェフは、「手のかかった農作物の価値を上げるため、最終的に消費者の口に入る瞬間の価値を上げることが大切で、それができるのがシェフの役割」という使命感を持っているかたで、今回の取り組みに賛同してくださっています。

森:
被災地にとどまらず、同じ地元の生産者と料理人に加えて、さまざまな企業のタッグでつくるお弁当は、先進的な取り組みだと思っています。

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(萩シェフは、毎朝生産者を訪ねて食材を仕入れ、1日限定1組に提供する完全予約制のレストランを福島県いわき市で営んでいる)

−今後の展望を教えてください。

馬場: 
いま「福島に“つながる”弁当」が買えるのは、東京駅の「駅弁屋 祭」と羽田空港の「空弁工房」のなど4店舗です。まずはここで販売実績をつくっていきたいと考えています。 

森: 
なによりより多くの人に東北の食材を味わっていただきたいです。今後は、お弁当だけにとらわれないかたちで、東北の食材を食べてもらいたいと思っています。

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