幸せになると仕事の生産性が上がる? 幸せになるための「4つの因子」

幸せになると仕事の生産性が上がる? 幸せになるための「4つの因子」

みなさんは、「仕事の生産性や創造性をもっと上げたい!」と思ったことはありませんか?
欧米での研究によると、幸福度が高い従業員ほど創造性が高い、欠勤・離職率が低い、仕事の効率がよい、という傾向があるそうです。

また、幸せにつながるビジネスのための体系的な学問「幸福学」の第一人者である前野隆司教授(慶應義塾大学大学院)の研究によると、「幸せな人は生産性が30%高く、創造性は3倍高い」という結果が出ています。
これは、働く上での幸せだけではなく、たとえば、パートナーや家族との関係、余暇の過ごし方に対する満足度などもあわせて、個人としての人生の幸せを追求したほうが、仕事のパフォーマンスも高まりやすい、という考え方なのだとか。

今回は、前野教授が所長を務める慶應義塾大学システムデザインマネジメント研究所の前野マドカさん、岡本直子さんをお招きして、「幸せな人ほど生産性が上がる」メカニズムについてお話をうかがいました。

仕事の生産性を上げるための「幸せの4つの因子」とは?

幸せには、長続きしない幸せと長続きする幸せがあります。長続きしない幸せは「地位財」=金、モノ、地位。これは他人と比べてしまったり、不安定だったりする面があるので、あまりこれに重きを置き過ぎないことも大切かもしれません。

一方、長続きする幸せは「非地位財」=安全、健康、心。この中で特に「心の要因による幸せ」が特に影響するといわれています。

「幸福学」では、心の要因による幸せを「4つの因子」に整理し、これらをバランスよく満たすことで、長続きする幸せを手に入れられると考えています。

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(前野マドカさん:慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員)

幸せの4つの因子とは?

「幸福学」によると「幸せ」になるためには、以下の4つの因子をバランスよく持つことが大切なのだそうです。

1:「自己実現と成長」(やってみよう)
2:「つながりと感謝」(ありがとう)
3:「前向きと楽観」(なんとかなる)
4:「独立と自分らしさ」(ありのままに、私らしく)

1.「自己実現と成長」=やってみよう因子

これは、自分がかなえたい夢や目標を持ち、たとえ達成していなくても、それに向けて努力し続けているだけでも、その人は幸せ度が高くなるといわれています。

本当にささやかなことでよく、たとえば「今日はずっと笑顔で過ごそう」「今日は子どもに怒らないようにしよう」など、自分がこうしたいと思っていることをたくさん持っている方ほど、幸福度が高いことがわかっています。

どんな小さなものでもいいので、趣味や仕事を通じて、成長の実感や自己実現などの達成感が得られれると、幸せを感じることにつながりやすくなります。

2.「つながりと感謝」=ありがとう因子

人の感謝や親切に触れるなど、周囲の人と良い関係を築くことができると、私たちは幸せを感じます。幸せな人は、信頼できる友人や同僚が多い傾向にあるそうです。
みなさんは、最近誰かに「ありがとう」と伝えましたか? 職場や家庭で、「ありがとう」と言いたい相手を、3人浮かべてみてください。

まわりの人や状況など、何に対してでもよいのですが、感謝の気持ちで心を満たすことでリラックスでき、自分の力を最大限に発揮できるようになると言われています。

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(岡本直子さん:慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科附属システムデザイン・マネジメント研究所研究員 )

3.「前向きと楽観」=なんとかなる因子

「なんとかなるさ」と楽観的な性格の方が、幸せを感じやすいと言われています。
根拠のある楽観と、根拠のない楽観がありますが、やることは今までやってきて、当日をむかえて、あとはなんとかなる、という根拠のある楽観も、私たちの生活において幸福度にいい影響を与えることがわかっています。

また、バーバラ・フレドリクソンという研究者によると、「ポジティブな感情」と「ネガティブな感情」の比率が3対1、つまりネガティブな感情の約3倍を上回るポジティブな感情があるくらいのときに、人は幸福を感じやすいとされているそうです。
ネガティブな感情にフタをしてしまうのではなく、それも受け止めるからこそ、ポジティブな感情の心地よさも感じられるというわけです。

人の悩みのほとんどは人間関係によるものだといわれています。「何か悪いことが起きたらどうしよう?」などと、思いこんだり、自分で勝手に不安をつくったり、自分の言葉で自分を不安にしてしまったりしていることも多いものです。
まわりの人にシンプルに感謝したり、「きっとなんとかなる!」と考えたりした方が、幸せを感じやすくなりますよ。

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4.「独立と自分らしさ」=ありのままに、私らしく因子

また、他人と比較せずに「自分らしく、マイペースに」やっていける人は、そうでない人よりも幸福を感じやすいといいます。 自分らしさを押し殺しすぎてしまうと、幸福度は低くなってしまいます。

ですが、日本人は調和をとるために自分を抑えたり我慢したり無理をしてしまいがちです。
たとえば会議の場でも、「自分だけが反対意見だから、黙っていよう」など周りにあわせてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか? そのような場でも、少しずつ自分らしさを出す方法を見つけてみてください。

みなさんがこれまでの仕事や生活のなかで得た、転機になったことを3つあげてください。そして、それぞれから得た「強み」と「自分らしさ」を書き出してみてください。
自分が大変だったこと、転機になったことを思い出し、そこで発揮された自分らしさとは何だろう? と時々ふりかえってみてもいいと思います。

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