なぜ雨雲の動きが分かる?「雨雲レーダー」の仕組み

なぜ雨雲の動きが分かる?「雨雲レーダー」の仕組み

梅雨の季節や台風、秋の長雨の季節などに、突然の雨に降られてしまって困ったという方も多いのではないでしょうか。そんな時、雨の予報に便利なのが「雨雲レーダー」です。
「雨雲レーダー」の仕組みを、Yahoo!天気・災害のサービスマネージャーの田中に聞いてみました。

雨雲レーダーとは

雨雲レーダーは、雨がいつ、どこで降るのか、そして降るとしたらどのくらい降るのかが一目でわかるサービスです。ご自宅や会社からはパソコンで、出先ではスマートフォンで、いまいる場所や目的地の空模様を地図上で簡単に確認できます。
淡いブルーから濃い赤までのグラデーションで、降る雨の強さを表しています。淡い青より濃い青が、青よりも緑や黄色、赤のほうが強い雨が降るという予測です。

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雨雲レーダーがメジャーになってきたのは最近なんですが、実は2008年頃からあります。当時は「雨雲ズームレーダー」という名前で、マイクロソフト社の「Silverlight」を使った機能として提供していました。リリースした頃に使っていたのは気象庁の1kmメッシュレーダーで、10分単位で更新していました。Yahoo!地図と連携するようになったのは、2011年からです。
最近は、気象庁の気象レーダー(※1)と国土交通省の「XバンドMPレーダ」を合成した高解像度ナウキャストを気象庁が配信していますので、1分毎におよそ250m四方という非常に細かい雨の分布が分かるようになりました。

雨雲レーダーの仕組み

この仕組みを簡単に説明すると、気象レーダーから電波(マイクロ波)を発射して、

・雨粒に反射する強さ(エコー強度)で雨の強さを判定
・電波が戻ってくる時間で、雨粒までの距離を測定
・戻ってきた電波の強さから、雨の強さを観測

この3つを行っています。
また、戻ってきた電波の周波数のずれ(ドップラー効果)を利用することで、降水域の風を観測できますので、雨雲の動きがわかります。

気象レーダーは現在、全国20カ所に設置されています。日本は山地が多いため、レーダーの設置場所によっては地形の影響を受けることを考慮して、国土のほぼ全域をカバーするようにレーダーを配置しています。
このように観測した雨の強さの分布は、降水短時間予報や降水ナウキャストなど、雨雲の予報の作成にも利用されています。

雨粒の形は「肉まん」型?

国土交通省の「XバンドMPレーダ」はさらに進化していて、雨粒の形をとらえることができます。縦横の波を同時に発射すると、雨粒の形がわかるんです。
「霧雨」、「大雨」、「豪雨」など、日本の雨は強さや降り方でいろいろな表現がありますが、それと同じように雨粒の形も変化します。雨粒はすべて縦長のしずくのような形や、または丸い形をしているイメージがあるかもしれませんが、たとえば「豪雨」の際に降る大きな雨粒は、落下中に空気抵抗によって上下につぶれます。そのため、実際は扁平(へんぺい)化して、おまんじゅうや肉まんのような形になるんですよ。

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雨雲レーダーの便利な使い方

Yahoo!天気アプリの雨雲レーダー上で特定の地点を長押しすると、グラフ画面が現れます。それを見ることで、どのくらい雨が降っているかや、この先1時間の雨のピーク、雨がピタッと止むタイミングもわかるんですよ。

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現在地と連動させておけば、自分がどこにいても、雨が降りそうなタイミングで「もうすぐ雨が降りますよ」とプッシュ通知が届きます。
位置情報を許可しなくても使っていただけますが、許可していただいたほうがより便利に使えますので、ぜひお試しください。

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(気象予報士の資格を持つYahoo!天気・災害サービスマネジャーの田中。2008年入社)

警報・注意報について

また、Yahoo!天気アプリには、雨に関する警報・注意報(大雨、大雪、風雪、洪水、雷)も一緒に表示しています。
警報・注意報は、実は発表された瞬間が危険なわけではない、ということをご存じでしょうか? これらは、今後危険な状況になる可能性がある時にも発表している情報なんです。

そのため、Yahoo!天気・災害では、「今後、警報に切り替える可能性が高い注意報」「今後、特別警報に切り替える可能性が高い警報」として、警報に切り替わって危険が迫る可能性がある時間帯がわかりやすいように見せ方を改善しました。

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(注意報から警報に切り替える可能性が高い時間が分かる)

【関連リンク】
・※1:気象レーダーについて(気象庁)
Yahoo!天気アプリ

文/筒井 智子(リベルタ)、Yahoo! JAPANコーポレートブログ編集部
写真・イラスト/Yahoo! JAPANコーポレートブログ編集部