サイバーエージェント藤田晋社長の「ものづくりや働き方の哲学」

サイバーエージェント藤田晋社長の「ものづくりや働き方の哲学」

株式会社サイバーエージェント代表取締役社長、藤田晋さんをお迎えして、ものづくりや働き方の哲学についてうかがいました。

・藤田さんと開発の現場との距離感は?
・現場の意見をどう活用する?
・どんな若手を登用する?
・ビジネス判断をする上で、大事にしていることは?

ものづくりのリーダーは、高いレベルでクオリティーを仕切らないといけない

サイバーエージェントには、インターネット広告、メディア、ゲームの事業があり、広告とゲームは担当役員にまかせています。

メディアの分野では「AbemaTV」の総合プロデューサーを兼務していて、開発陣やディレクター、デザイナーとは、日々打ち合わせをしています。

現場の社員からモックを見せられた時は、必要であれば厳しくダメ出しをすることもあります。素晴らしいものづくりをするためには、高いレベルでリーダーが仕切らないといけない。それを、今までの経験を通じて実感しています。

また、作り手の視点を離れて、ユーザー視点で「市場に出せるレベルではない」と判断することもリーダーの役割です。高いクオリティーのものを作れば、売り上げはあとからついてくると思っています。

image

現場からの意見を「見える化」する

当社のプランナー向け研修制度の一つに「ポイントすすむくん」(※)という仕組みがありますが、これは新入社員からサービスへの改善案を提案してもらい、僕が点数をつけるというものです。

そして、その点数はポスターで張り出されるので、参加者は毎回一生懸命考えて提案を持ってきますね。こういう仕組みが存在することで、自分の担当ではないサービスについても思考を巡らせる機会になるし、お題となったサービス側も、さまざまなアイデアをもらえてすごく助かる。
この「ポイントすすむくん」がきっかけで生まれた新機能はかなり多いです。

※ポイントすすむくんの仕組み
1.お題となるサービスの改善案や新機能を提案
2.一定以上の点数がついた提案は実装(リリース)される

責任感が強い人を登用、経験が一番の人材育成

入社して間もない若手社員でも、素質があると感じたら子会社の社長に抜擢(ばってき)することもあります。もちろん失敗もするし、痛い経験もするけど、やらないと身につかない。座学で教えるのは限界があるので、どんどん経験を積ませることが、一番の人材育成だと思っています。

事業責任者や子会社社長への抜擢は、責任感が強そうだなと感じる人が多いですね。抜擢されることが目的になっていたり、自分自身や考えた事業を認めさせたいという気持ちが強い人は、まず難しい。感覚的なのですが、そういうところを見極めて登用しています。

そうやって続けてきた若手抜擢の文化の結果、新卒入社10年目くらいの層が各事業の大黒柱になりつつあって、それはうれしいですね。

image

「自分で使いたい」と思うものを提供し続けたい

「AbemaTV」のように全く新しい分野のビジネスに挑戦するときは、「自分だったら本当に使うか」というリアリティーを大切にしています。そして、タイミングや市場を考えて可能性があると感じた事業は見逃さないようにしています。

「AbemaTV」も、マージャン中継などをスマホで見ているときに「これは普通に使うな」と思ったことがきっかけでした。
これからも、ネット企業の経営者として「自分で使いたい」と思うものを提供し続けたいと思っています。

ヤフーさんとは創業当初からの古い付き合いですが、今後も切磋琢磨(せっさたくま)しながらインターネット業界を盛り上げていきたいと思っています。これからもよろしくお願いします。

image

(写真右からサイバーエージェント代表取締役社長の藤田晋さん、ヤフーの副社長執行役員 最高執行責任者 兼 コマースグループ長の川邊)

【関連リンク】 ・働き方改革(ヤフーのCSR)

文/Yahoo! JAPANコーポレートブログ編集部
写真/Yahoo! JAPAN公式カメラ隊