「使った技術はExcelだけ?」(Hack Day技術賞編)

「使った技術はExcelだけ?」(Hack Day技術賞編)

7月に開催したHack Dayでは、最優秀賞、投票で選ばれるHappy Hacking(社内限定・公開)賞、技術賞、UX賞、課題解決賞、メディアアート賞の7つの賞が各チームに送られました。

今回は、技術賞を受賞したチームのメンバーに話を聞きました。
プレゼンで「使用技術はExcelです」と発表し、会場がちょっとザワついたこのチーム。あえてExcelを使った理由とは?

(左から菊地、鎌倉、三輪、小和瀬)

今回の「ロボットアームで全自動タブレット操作(物理)」というアイデアはどうやって決めたのですか?

鎌倉:
それぞれが作ってみたいというモノがあったので、それらを出し合い、チーム内の投票で決めました。多数決といいつつ、私が「これを作りたい!」という強い思いで押し通した感じです(笑)
以前から「スマートフォンでアプリやページのテストを行う時間をもっと減らせないだろうか」と思っていたのですが、自分だけではなかなか作れないモノだったので、Hack Dayで作りたいと思っていました。

(90秒のプレゼン動画)

4人の役割分担を教えてください。

三輪:
今回、役割分担はけっこうしっかりできていたと思います。
私は、モーターを動かしたり制御したりする「arduino」を以前さわったことがあったので、その部分を担当しました。

小和瀬:
パーツなどの買い出しをしたり、Androidアプリをつくったり、工作部分を担当しました。

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(小和瀬)

菊地:
私は初日は計算担当でした。

鎌倉:
私は、いろいろなパーツを買ってきて、それをみんなに渡したのと、プレゼン資料の作成と発表担当でした。
途中までiPhoneアプリをつくっていたのですが、90秒という発表時間なので、アプリを紹介する時間はないなと。思い切ってその部分は捨てて、プレゼン資料の作成に集中しました。

-Hack Dayでは、そうやって「あえて言わない」という判断も大事なんですね。

鎌倉:
作っているとつい、全部言いたくなってしまうんですが、そこをあえて言わない、と思い切ることも大事かなと思います。
作るのに使った技術もいろいろ言いたいところをあえて本番では「Excel」としか言わなかったんです(笑)
AndroidアプリやiOSアプリなどいろいろ作ったのに、時間の関係上、全部はしょりました(笑)

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(発表資料。使用技術はあえて、一番上のExcelしか言わなかったそうです)

- だいぶ思い切りましたね!

全員:
(笑)
もっといろいろやったのにね!

小和瀬
ただ、今回のHack Dayは、作ったモノを展示して説明する時間があったので、そこでしっかり伝えてアピールできればと思っていました。
発表では、一番コアな部分だけ伝えられましたし、聞いていたみなさんが笑ってくれたのでよかったです(^^

鎌倉:
私たちの作品のちょっとした遊び要素を面白い! と言ってもらえてうれしかったです。

- 今回の開発で苦労した点、また、Excelを使用した理由を教えてください。

鎌倉:
新卒の菊地がやってくれていたアームを動かす部分の計算が、数学的な要素が大きかったので大変だったと思います。

菊地:
アームをどう動かしたら、狙った所に行くのかをずっと考えてひたすら計算しました。
まず、アームのこの部分が何度動いたら、平面座標にどこにいくのか、計算式を書いて解いて計算して……ということを繰り返していました。

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(菊池)

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(計算式作成中。さっぱりわかりません……)

アームの回転とスタイラスの位置の関係式を、初日は朝の9時から21時まで考えていましたね。
最終的な計算式にたどりついたら「どうしてこれが思いつかなかったんだろう」と思ったんですけど、思いつくまではなかなか出なくて……。

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(アームとスタイラス)

計算式が出来上がった後、それを元にたくさんの数値計算が必要だったのでプログラミングしなくてもサッと計算できるExcelを使いました
Excelを使ったのは、私たちのチームしかなかったんですよ。 

鎌倉:
どうやってアームを動かしたらいいか、考えたり、そのための台を固定したりなど工作部分があったので、残りの3人はそこを頑張っていました。

三輪:
これで動くはず、とコードを書いて動かしてもその通りに動かなかったですし、一回で動くことはなかったので、試行錯誤していましたね。

菊地:
何度もテストしていたら、1日目にモーターが壊れてしまいました(^^;

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(ひたすらにテスト)

- みなさんエンジニアですが、普段は工作はしていないですよね? 動くモノを2日で作れるものなんですね!

鎌倉:
2日間で精密なものを作るのは正直難しいと思っていたので、事前にただ判子を押すだけの動きをするようなシンプルな動きができるものも考えておき、こっそり保険はかけていました(笑)
でも、それはあえて他の3人には言わずにプレッシャーをかけたんですけどね!

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(鎌倉)

三輪:
私たちが「(保険が)あるんじゃない?」って聞いても「ないよ」と言われ……チームの中でも心理戦がありました(笑)

小和瀬:
いわゆる力を使えばいいだけの工作とは違い、今回菊地がやったような、ちゃんと信号が出力されているかどうかを(オシロスコープで)確認しながら作ったので、そこは苦労した点のひとつです。

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- ハードウエアの工作は、普段の開発と違うと思うのですが、楽しかったのはどこですか?

菊地:
見ただけで、動いた! と一目でわかるというのはすごく面白いと思います。

鎌倉:
アプリなどだと、実際に使ってもらったり説明したりしないとわからないことが多いですが、ハードウエアのアームの動きなどは、遠くから見ても誰にでもすぐわかるのがよかったですね。
業務で開発するものについて、なかなかそこまでシンプルにわかってもらえることは少ないので、動けば誰でもわかるシンプルなモノを作る楽しさがありました。

三輪:
1日目と2日目だとアームの動きが明らかに違って、すごくスムーズに動くようになるのがよくわかりました。
最初は100度ごとにしか動かせなかったり、スムーズに動かなかったりしました。でも、2日目はかなりスムーズにアームを動かせるようになったんです。

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(三輪)

菊地:
アームを動かすサーボモータは3つついていて、1日目は1つずつしか動かせなかったので、横に動かしたり伸ばしたり、カクカクした動きでした。2日目は3つ同時に動かせるようになったので、なめらかに動くようになりました。
こういうことは普段の業務ではやらないことなので、いろいろ失敗したことも含めて面白かったです!

- 今回発見した、メンバーの特技はありますか?

三輪:
鎌倉くんのプレゼンが上手でしたね。

鎌倉:
普段はプレゼンをする機会はないので、緊張しましたが、これまで2回くらい参加した時の失敗を生かして、いろいろと言いたくなるのを我慢することができたことが結果につながったのかなと思っています。

ただ、発表の5分前くらいに線が切れて。あの時はすごく緊張しました……。

菊地:
発表前には、ハンダなどの熱が出る道具は使えなかったので、台に乗せて前に出て、鎌倉がしゃべっている間、私たちが台のうしろに隠れて、線を手を押さえていました(笑)

鎌倉:
発表の10秒くらい前には、ソフトも動かなくなり、もうダメかと思いました(^^
でももう、何事も起きていないふりしてやるしかないなと(笑)

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(発表前。内心焦っていたそうです)

- みなさんがHack Dayに出場する理由を教えてください。

三輪:
普段できないことができるのが面白いですし、1人だとできないような普段つくらないモノを作れることが魅力です。

鎌倉:
自分たちの想像を実際にカタチにできるから、というのが大きな理由です。

菊地:
先輩である鎌倉から、「Hack Dayはとりあえず出とけ」と言われていたのですが、今回出てみて、あまり触る機会がないハードウェアのモノ作りができる楽しさを実感しました。

小和瀬:
普段の業務ではできない、さらに新しいことをやったり、面白いことを経験できたりする。チームでやるのもHack Dayの楽しさだと思っています。

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- 次のHack Dayではどんなことをやりたいですか?

小和瀬:
その時の流行も気にしつつ、もう少しだけ派手なモノを作ってみたいですね。

菊地:
今回のHack Dayでは機械学習系の発表が多かったと感じました。実際、展示説明の時に何回か「画像認識をしていますか?」と聞かれたので、その要素も入れていればもう少し評価されたのかもしれないな、と。

鎌倉:
実は、画像認識の準備もしていたので、アピールポイントとしては言っておけばよかった、とちょっと後悔しました(^^

以前三輪が落し物をしたと聞いて、「財布に入れておけるカード型のビーコン(※)があるといいな」と思って、パーツを買ってきたのであとで渡すつもりなのですが(笑)、 Hack Dayでも、「こんなモノがあったら便利だな」と思うようなモノをまた作りたいです!

(※)ビーコン(beacon)
位置を知らせるための電波を発信する小型の電子デバイス。

【関連リンク】
Yahoo!ファイナンスアプリ(今回のメンバーが開発を担当しています)