<熊本地震>災害発生直後に現地に入って感じたこと

<熊本地震>災害発生直後に現地に入って感じたこと

4月14日より発生し、熊本、大分地方に大きな被害をもたらした「熊本地震」。

ヤフーでは、地震発生直後から、関連情報を正確に、素早くお伝えすることを試みたほか、 Yahoo!基金による緊急支援募金の受付や ヤフオク!での売り買いを通じた支援プロジェクトの開始など、インターネットを通じていくつかの支援活動を行ってきました。
しかし、一連の支援活動の間にも現地熊本での混乱の情報が次々と私たちの耳に入ってきました。
そうした事態を受け、今回ヤフーでは、社として初めて災害発生直後の被災地に入って支援活動を実施することを決断しました。

4月21日にヤフー社員6人と熊本入りした社会貢献推進室室長の妹尾(せのお)が、現地での支援活動の様子、また、そこから感じたことについてレポートします。
(写真、後列左からヤフーの森、妹尾、後列右から杉山、松本)

社会貢献推進室の妹尾です。震度7の地震が短期間に2回発生し、直下型余震が引き続くという前例のない震災被害が伝えられる中、私は 「現地に入らなければ『いま』必要な支援はできない」と判断し、支援活動のために現地へ向かうことにしました。

ちょうど同じタイミングで、すでに現地入りしていた国際協力NGO ピースウィンズ・ジャパンから活動への協力を求められていましたので、連携をとりながら、被災地での支援活動を実施することにしました。その時の様子をお伝えします。


「いま」自分たちが役に立てることは何か

4月21日の昼過ぎ、最も被害の大きかったエリアの1つである熊本県益城町に到着しました。到着してすぐに分かったことは、「(指定)避難所」には物資こそ到着しているもののまだ混乱が続いているということ、また、被災した方々が自主的に避難する「避難場所」には公的な支援が行き届かず、そういった施設がどこに存在するかの調査もまだ完了していないこと、でした。

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(現地入りした日は、強い雨が降っていました)

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(4月21日の益城町総合体育館の様子)

そこで、私たちはすでに益城町周辺に物資の供給を開始していたピースウィンズ・ジャパンとともに、可能な限り「避難場所」(自主避難所)の情報を整理して、効率的かつ網羅的に物資の供給ができないか、考えました。

このとき役に立ったのは、 Yahoo!ロコの施設情報です。
要請からわずか1時間で、東京にいるロコのサービスメンバーから益城町に存在する1000以上の施設の住所と電話番号の一覧が届きました。そこから、すでに指定避難所となっている施設などを除いた保育園や老人ホームの状況を1つ1つ確認すると、益城町内で10を超える施設が支援のない、または支援の乏しい状態であることが分かりました。

そこで、今度はこれら施設の住所情報を Yahoo!地図上に表示して、物資を運ぶドライバーの方とともに、益城町の各所を回りました。

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(Yahoo!地図上に支援を必要とする施設を表示。物資の「届け先」をすぐにリスト化することができました)

この時点での益城町は数多くの通行止め地点があったため、車載のナビでは町内を細かく回るのに適さず、ヤフーのメンバーがトラックに同乗・同行をして、道案内と在庫の管理を行いました。結果として、支援が十分に行き届いていなかった「避難場所」にも物資を届けることができましたが、また、それは新たな課題を発見する機会にもなりました。

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(通行止めなどの厳しい環境下だからこそ、効率的に動くことが必要でした)


「LOHACO応援ギフト便」立ち上げの経緯

物資配達の活動を2日程度続けていると、私たちは現地の状況の変化と新たな課題があることに気が付きます。
「状況の変化」は物流(道路状況)が少しずつながら改善してきたということ。また、「新たな課題」は初期に届いた支援物資とは異なるいろいろなニーズが生まれてきたということです。特に、災害発生から1週間が経過したことで、水などの使用が限られている中でも衛生的な環境を維持するための物品を求められることが多かったように思います。

そこで私たちは、ヤフーのグループ会社であるアスクルに支援を要請しました。アスクルでは生活消費財・食品などを販売するECサイト 「LOHACOを運営しており、 日用品の独自在庫や物流拠点を保有していました。彼らであれば、避難者のニーズに応え、物流システムを通じて「避難場所」それぞれに必要とされるものを届けることができると考えたからです。

また、「避難場所」の施設の方々がインターネットを使いこなして物資を要請することは容易ではないと考えた私たちは、地元の若者による支援団体「熊本地震・熊本支援チーム(現・一般社団法人チーム熊本)」に協力を要請し、「避難場所」から電話でLOHACOへの注文を受け付ける体制を整えました。

そうした準備を行った結果、要請してから1週間足らずの4月28日に、アスクルとヤフー、熊本地震・熊本支援チームが協力して、 「LOHACO 応援ギフト便」の取り組みを開始することができました。

5月22日現在で7回にわたり需要をヒアリングし、救援物資を被災地に送っています。この取り組みは現地の状況をみながら、まずは5月末まで継続する予定です。

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支援だけではなく、現地レポートの発信も

こうした現地での支援活動に加え、私たちメンバーの1人である社会貢献推進室東北共創チームの森は、現地での様子、被災者の声、支援者の声を、ヤフーのサイトを通じて発信し続けました。
森は記者経験がありますが、今回はあくまで「支援チーム」の一員として、第一に支援活動を行いながら、現地のさまざまな声や課題を発信し続けました。

これまで、企業が被災地に入る場合の目的として、「支援」と「報道」というのは明確に分かれていたと思います。
しかし、今回ヤフーは 「支援」を行いながら「報道」をしていくという、新しいスタイル、枠組みに挑戦をしました。もちろん、被災された方々のご負担になる場合があることも忘れてはいけませんが、支援活動の中で接した課題や生の声について、メディア企業として現地に行くことができない方々に「本当の被災地の姿」をお伝えすることも使命と考え、活動させていただきました。厳しい状況にありながらも、快く取材に協力してくださった被災地の皆様に感謝いたします。

【熊本地震】震度7の益城町、把握しにくい「避難場所」を歩く
【連載】 支援物資の現状は? 「避難場所」に届ける挑戦
【連載】 地元企業・再春館製薬所社長が語る震災からの再起

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現場に入って感じたこと

今回、私たちが災害発生直後に現地に入って最も感じたのは「『型』を持っておくことの重要性」ということです。
「型」というのは事前の備えのことです。当たり前のことですが、どんな災害が発生しても「自分たちはこれをやるのだ」ということが決まっていることの強さを感じました。被災地外でのヤフーのサイトを通じた支援の動き、現地での自衛隊の皆様の動きがそれに当たると思います。確信のある行動は、有事に最も早く、有効に機能するということです。

もう1つ感じたのは「『形』式の弱さ」です。大きな災害が発生した時点で、昨日までとは全く連続性のない現実が、大きな課題と共に横たわります。前例にとらわれず、また「ITを使って……」という考えに過度に縛られずに、紙や電話も使って、目の前の被災地や被災者の方に何が必要か、という観点から1つ1つの判断をしていくことが重要だと感じました。
いま現在も熊本地震による被害・影響は大きいものがあります。ヤフーとしてできる支援はまだ始まったばかりです。引き続き、自分たちに今できることを考え、行動していきたいと思います。

最後になりましたが、熊本地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げると共に、被災地の一刻も早い復旧をお祈りいたします。

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