「時代とともに変わっていく日本語の難しさ」言語品質チーム

「時代とともに変わっていく日本語の難しさ」言語品質チーム

ヤフーには、正しく、より分かりやすい日本語をユーザーに届けるための支援をしている「言語品質チーム」があります。
今回は、チームの中村さん、近藤さん、細田さんに、仕事のやりがい、難しさなどについて話を聞きました。
(左から中村さん、近藤さん、細田さん)

- 言語品質チームのお仕事について教えてください。

中村:

Yahoo! JAPANサービスの品質をさらに向上させるために、ユーザーファースト(※)でわかりやすい文章を書いたりチェックしたりできるような支援や環境づくりに取り組んでいます。

具体的には、サービスや社内外に出す文言についての相談をうけたり、全社員を対象に日本語や文言作成に関する研修・イベント、日本語に興味を持ってもらえるようなニュースレターの発行などを行っています。

(※)ユーザーファースト:
ユーザー満足度を優先する考え方のこと。

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- みなさんは前職では紙媒体の編集のお仕事をされていたそうですが、ウェブ媒体であるヤフーで働いてみていかがでしたか?

中村:
私はもともとウェブに興味がありました。また、編集の仕事をしているなかで、校正チェックという仕事もあるのですが、それがとても好きだったんですね。
人が書いたものをさらによくできる、わかりやすい文章にしていくところに魅力を感じたので、ヤフーでそれをやってみたい! と思っていました。

実際に校正してみると、書籍とは違い、ウェブページなので動きを表現する文言など、とても苦労した覚えがあります。

近藤:
似たような職種とはいえ、それまでいた出版業界とは作業の進め方や環境が全然違ったので、最初は慣れるまでにとまどいました。
当たり前ですけど、打ち合わせ中にITの専門用語が飛び交うなど、議題の内容を理解するのにも一苦労だった記憶があります。

細田:
出版社で働いていた時に、一番好きだったのが校正の作業だったので、ヤフーで校正のスキルを生かしたいと思って転職しました。
ヤフーのサービスは多岐にわたるので、さまざまなジャンルの案件に対応していかなければならないところが、慣れるまで大変でしたね。

時代の変化とともに変わっていく日本語の、正解がない難しさ

- 言語品質チームのお仕事の難しいところはどこですか?

中村:
日本語は、これさえ学べばマスターできたり、いい文章が書けるようになったりするものではありません。継続して学んでいくという姿勢が大変かなと思います。

近藤:
日本語は正解がないところが難しい、と思っています。
たとえば、あるサービスの誘導文言を考える時に、サービスの特徴やユーザーの属性、文言の掲出条件などによって結果が変わるので、「あのサービスで成功したからといって、この文言がユーザーに絶対にひびきます」とは言えないんです。

私たちは日本語を専門に扱うチームとして独立しているので、サービスに直接入りこんでいるわけではありません。なので、ユーザーのリアルな反応をもとに文言を考えることがなかなかできないんです。
実際にサービスを使ってみたり、サービス担当者からの要望を聞いたりして文言を作成していきますが、サービスとユーザー双方のニーズを満たす文言をつくるのは難しいと感じることもあります。

細田:
私が入社した時にはまだスマートフォンはこれほど一般的ではなかったですが、その後急速に普及し、「スマホ」という略語が生まれました。
時代の変化とともに言葉も変わっていくので、新語・流行語や略語にどこまで対応するのか、この言葉を使ってユーザーに正しく伝わるのか悩むことがあります。
いずれも正解がないので、「新聞に載っていれば一般的である」と判断したり、チームメンバーで話し合ったりしながら決めています。

また、その世代ならではの言葉を知るため、よく検索されているキーワードも意識して見ています。

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(略語ってこんなにたくさんあるんですね……)

- この仕事をやっていてよかった! と思う時は?

中村:
たとえば、みなさんからのご相談に対し、文章作成のポイントをお伝えしたことで、「簡潔でわかりやすい文章が書けた!」と実感してくれたり、さらに勉強して、試行錯誤している様子を見られた時がうれしいです。

最近はスマホを使う人が多くなり、パソコンに比べ小さい画面の中で、端的に伝える必要性が増してきました。言語を一つの要素として重要なものだと考える人も多くなってきているのかなと思います。

近藤:
私たちは日本語に関する研修も実施しているのですが、「これまで漠然と書いていたけど、文言作成の考え方がわかったような気がします」とか「言葉の重要性がわかりました」といったコメントをもらえた時です。
言葉を整えただけで、格段にUX(ユーザーエクスペリエンス)が改善されるというわけではないですが、少しでもサービスにプラスの効果があったと思ってもらえた時もうれしいです。

- 日本語のスキルアップのため、みなさんが意識されていることはありますか?

近藤:
たとえば、リンクやボタンなどでは、まず「伝わるか」を考えます。次は、それを見て「行動にうつすかどうか」、アクションにつながるかどうかを考えてみるという習慣はあるかもしれません。

ウェブと書籍などの紙媒体は違うので、ウェブならではの文章作成のポイントなども学ぶようにしています。

中村:
ヤフーのトップページの「あなたへのおすすめ」というコーナーがあるんですが、記事のタイトルテキストはこまめに見ています。
実際にリンクを押して遷移先のページを見て、「これは効果的な誘導文言になっているな」などの気づきを得られることもあります。

細田:
私はラジオが好きでよく聴いているんですが、そのなかで気になる言葉があると、それを書きとめています。街中で周りの人が話している言葉から、ヒントを得ることもあります。
自分はあまり使わないけれど、わかりやすい言葉や魅力的な言葉、響く言葉もあるので、引き出しを増やすためにもあちらこちらにアンテナをはってチェックするようにしています。

- これから挑戦したいことを教えてください!

中村:
これまでヤフーで作成した文言のデータを蓄積して利用することで、もっとみなさんがスムーズに文言を作成できるツールの開発に関わってみたいです。
「こういう文言の時は読まれた」などのデータを蓄積し、日本語分析技術と組み合わせてより効果的な文言を作成できるようになったらと思っています。

近藤:
文言についての相談を受けた時には必ず「私たちはこう考えたからこう修正しました、作成しました」という、言語品質チームなりの考え方や視点、理由を必ず伝えるようにしています。

日本語に苦手意識をもっている方でも苦にならずに文章を書ける手法のようなものももっと伝えていきたいです。また、ヤフーのサービスごとに持っている文言の成功・失敗事例などを集めて全社に知見として共有できたら、役に立つのではないかと思っています。

細田:
ベトナムなど海外拠点との協業もしています。また、社内にもグローバル採用(国外に在住する人の採用)の人材が増えてきたので、また違ったお手伝いができるのではないかと思っています。

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↑言語品質チームのシンボル、パンダくん。「言語品質チームはパンダのようにみんなに好かれる存在でありたい」という思いがこめられているそうです(^^