【ネパール大地震】登山家・栗城史多さんや災害支援NGOが見た「ネパールのいま」

【ネパール大地震】登山家・栗城史多さんや災害支援NGOが見た「ネパールのいま」

約9000人が犠牲になった4月25日のネパール大地震から半年。Yahoo!基金は10月23日に、復興を願った応援イベントを開催しました。
地震後、世界初のエベレストに挑戦して注目された、登山家の栗城史多さんらを招き、ネパール支援にいまも尽力する多くの国際NGO団体から現状報告がありました。


■いまの課題は「教育」

4月25日現地時間12時ごろ、ネパール中西部でマグニチュード7.8の大地震が発生しました。被災地の歩みはこれからですが、現地からの報道は少なくなっています。
Yahoo!基金理事長の宮坂学は「これまで6700万円の募金がヤフーを通じて集まり、寄付されました。イベントを通して、ネパールの現状や課題をみんなで考える機会になれば」とあいさつしました。

最初に、エベレスト挑戦から帰国し、真っ黒に日焼けした栗城さんが講演しました。栗城さんは自らもプロジェクトを立ち上げ支援しています。

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「大地震のとき、エベレストでは19人が(雪崩で)犠牲となり、残念ながら日本人も1人亡くなりました。そして震災後には、『支援に行こう』と駆けつけました」。
訪問したのは「首都カトマンズから車で2日。シェルパの仲間が出身だった」というゴルカ郡ラプラック村。「家はほとんど全部崩れて落ちて、ほとんど石畳状態だった」といいます。
しかし、前向きな話も。
「これからどうするか尋ねたら『石だからまた積めばいい』と話す方がいました。明るくて全然めげない人が多い。ネパール人の精神的な強さが自分も勉強になりました」。

栗城さんは、いまの被災地の課題は「教育」だと訴えます。「学校は全国で5000棟が崩れ、危険で入れない場所も多い。仮設テントが建つところも出てきて、子どもは外で明るく遊んでいましたが、教材はありませんでした」と学校の現状を紹介しました。
「家もなにもない状態なのに、人々に何が一番ほしいかきいたら『学校がほしい』とみなさんいいます。びっくりしました。『学校や教育は未来につながる』という点をみなさん理解しています。教育の支援をしていただきたいと思います」との言葉で締めました。

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栗城さんは今回、秋季エベレストへの単独・無酸素登頂を目指しました。しかし「秋のエベレストは風が強く、最高で風速数十メートルにもなる。風の弱まる日を狙いますが、それでも20メートル近くある」という厳しい天候。結局、8150メートル付近で、登頂を断念しました。
「エベレストでは、必ず生きて帰ることを考えないといけません。今回は下りる決断をしたが、また来年行こうと思います」と語ります。

そしてネパールへ訪問する意義についても。「外国人の観光客がこなくなったので、私がエベレストを登るとなったら歓迎して、みんな喜んでくれました。地震によって『エベレストは登れない』というイメージが広まってしまっていましたが、下山してきてからネパールの政府や登山関係者から『ありがとう』といわれたのがうれしかったです」。

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■ジレンマを吐露

続いて、ネパール政府の公式通訳のジギャン・クマル・タパさんが登壇し、現地で撮影した数多くの写真を紹介しました。ドラム缶を割って、崩れた家の壁の代わりにしていた建物がありました。ガソリンが足りず、ガソリン待ちに列をなす様子も。

「首都カトマンズを離れれば、復興はまだまだです」と話します。
「観光産業で支えられた国なので、訪問者が少ないと問題です。ただ、国の政情が不安定で、観光のために世界から訪れる雰囲気になりずらい面もあります」とジレンマを吐露しました。

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タパさんも栗城さんと同じく、教育の重要さを強調しました。
「子ども同士の交流が、太いパイプになると思います。この先も学校で希望が持てる社会にしたい」。
東日本大震災の被災地との子ども同士の交流も続いています。「震災は遠い話ではありません」と支援を呼びかけました。

■支援団体「IT活用した支援も」

最後に、Yahoo!基金が支援してきた国際NGOの8団体が、ネパールでの支援活動を報告しました。

「診療所で支援をした時に、子どもたちの笑顔が足りないと感じました。ギターを弾く人がいたので、みんなの前で披露したら、笑顔が増えました。心のケアも必要だと思いました」。
「緊急支援は大変な仕事でしたが、ステキな笑顔や頑張っている人に出会えました。カトマンズの都市部ではSNSやネットを通じて、村で必要とされる物資とマッチングするサイトを作った若者がいました。そのサポートを行いました」。
「Yahoo!基金からの資金で、学校の仮設教室15棟が新たにでき、約1000人が授業再開しました。鳥小屋を改装してた仮設学校もありました」

などと報告が続きました。

会場は予定を上回る人で満員に。今後もYahoo!基金は、栗城さんやタパさん、支援団体と協力し、ネパール支援を続けます。募金も引き続き募集中です。

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【関連リンク】
ふんばろうネパールプロジェクト
ネパール被災地の子どもたちに「ゆでたまご給食」を届けたい
日本赤十字社
ケア・インターナショナルジャパン
国際開発救援財団(FIDR)
国連WFP協会
シャプラニール市民による海外協力の会
プラン・ジャパン
メドゥサンデュ モンドジャポン(世界の医療団)
Rainbow Children Japan